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日本代表で唯一の女性選手 「生死彷徨った」車いすラグビー倉橋香衣の人生のテーマ

倉橋が「楽」という漢字から得た刺激とは【写真:日本車いすラグビー連盟提供】
倉橋が「楽」という漢字から得た刺激とは【写真:日本車いすラグビー連盟提供】

「楽」という漢字から得る刺激、たどりついた人生のテーマ

「楽」という漢字は「らく」とも読めるし、「たのしい」とも読める。どちらの読み方も、その時々で自らに気付きを与えてくれるという。

「楽しいことは頑張れるし、頑張っていたら楽しい結果や楽しいことが待っている。その一方で、意外と『あれをしなければ』『もっと上手くならないと』『もっとこんな練習をしないと』と自分を追い込んでしまうこともあるので、そういう時には『もっと気楽にいこう』と思わせてくれる漢字でもあります。生死の境を彷徨ったこともあるので、漢字を踏まえて『毎日を楽しもう!』ということを人生のテーマにしています」

 自分の倍以上もあろうかという大きな体格の海外男性選手と対峙しても、「タックルは車いすごと思いきりぶつかっても怒られないので楽しくてしかたないんです」と満面の笑み。日本代表チームの仲間にも「アイツはすごい」と言わしめる思いきりのいいプレーも、車いすラグビーを心から楽しんでいる所以なのだろう。

倉橋は「楽」しみながら、パリパラリンピックでの金メダル獲得、日本で一緒にプレーする女性選手を増やすことを目標に歩みを進めていく【写真:日本車いすラグビー連盟提供】
倉橋は「楽」しみながら、パリパラリンピックでの金メダル獲得、日本で一緒にプレーする女性選手を増やすことを目標に歩みを進めていく【写真:日本車いすラグビー連盟提供】

「車いすラグビーをやりたいと思ったのも、体験会で楽しいと感じたから。『楽しい』ということが、自分の中では色々なことに繋がる活力になっていると感じています。代表ヘッドコーチのケビン(・オアー)も『どんな時でもラグビーを楽しんで』と言ってくれるので、偶然だけど一緒、同じ言葉を使っているなと思いながらプレーしています。何でも楽しんでいきたい。それは難しいことだと分かっているからこそ、テーマにしている感じですね」

 日本代表の主要メンバーとして2021年東京パラリンピックの銅メダルに続き、2022年の世界選手権でも銅メダルに輝いた。目下の目標はパリパラリンピックでの金メダル獲得、そして日本で一緒にプレーする女性選手を増やすこと。今まで通りに大きな笑顔を携えながら、肩の力を抜いて気を「楽」に構えて、車いすラグビーを「楽」しみ続けていけば、どちらの目標にも一歩、また一歩と近づいていく。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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