井上尚弥が挑む「階級の壁」打破 制限時間は5年、Sバンタム級制覇が「本当の最終章」
「まだまだ強い井上尚弥を見せられる」
肉体や反射神経の衰えを懸念し、「35歳で引退」と公言してきた。その時の状態で引退を先延ばしにする可能性も口にしてきたが、今年4月で30歳。バンタム級と同じく体重のフィットと4団体統一戦の実現までに5年弱を要することを考慮し、スーパーバンタム級は「本当の最終章としてもいいのではないか」と掲げた。
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昨年12月13日にポール・バトラーからWBO王座を奪取。1週間後にロードワークを始め、同27日にジムワークも再開した。「今、僕の顔を見ればわかると思うけど、結構整っている。いつでも戦える状態をキープしています」。年末年始は家族や親戚と過ごしながら休養。今月から国内選手とスパーリングを開始し、2月下旬以降には米国、メキシコから世界ランカークラスのパートナーを招聘する。
スーパーバンタム級には、WBC&WBO王者スティーブン・フルトン(米国)、WBAスーパー&IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の両統一王者が君臨。井上は戦いたい相手について、次戦の交渉中のため具体名を隠しながら、「パッと思いつくのは僕の中で4人」と口にした。
「スーパーバンタム級トップ戦線で戦っている誰かとできればいいなと思います。スーパーバンタム級に上げても4団体統一を目標にしたい。肉体的にも反応的にもまだ上がっている。まだまだ強い井上尚弥を見せられると思うので、今後も期待してほしいです」
2階級での4団体統一は世界初の偉業。4階級制覇なら井岡一翔(志成)に次ぐ日本人2人目だ。この日の写真撮影では、重たそうに「3秒だけですよ!」と4本のベルトを両腕で掲げた。「(4本のベルトは)凄く宝物ですけど、執着することなく次に進みたい」。モンスターの宝探し「最終章」が始まる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)