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人生を変えた就活中の出会い 自転車ロード中根英登を「プロになる」と決意させた言葉

cap3) 引退パーティーで挨拶、今後は後進の育成にも力を注ぐ【写真:松本行弘】
cap3) 引退パーティーで挨拶、今後は後進の育成にも力を注ぐ【写真:松本行弘】

2022年を最後に引退、プロ生活は「お金では買えない大きな財産」

 ワールドチーム1年目となった2021年はコロナ禍で中途半端なシーズンを過ごしたが、2年目の昨年は「今までで一番いい状態を作れていて、すごく楽しみにしていた。すべての面においてレベルアップできていた。メンタリティーも、トレーニングも」。家族をスペインに呼び寄せて一緒に生活を始め、腰を据えて臨んだ矢先、3月に体調を崩した。

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 新型コロナウイルスは陰性だった。発熱と倦怠感が長く続いた。少し良くなってトレーニングができそうかなという日があっても、10分くらいで疲れてしまう。なかなか原因が分からず、10回以上の血液検査をして5月くらいにやっと、EBウイルスに感染し、インフルエンザとの非常に稀な合併症を引き起こしたのだろうという診断が出た。回復したと思ってもすぐにぶり返し、精神的にも追い込まれた。

 9月のイタリアのレースで復帰したが、トレーニング不足の体ではレースで自分の思うような対応ができなかった。10月に宇都宮市で開かれたジャパンカップに出場し、11月に引退を発表。「自分が成長できると思い続けていられれば、続けようと思っていたが、見つけられなかった。カテゴリーを下げて、また返り咲くことができるかと考えた時に、年齢的にちょっと時間が足りない。ストイックにやってきたことをまたやれるのか、以前の自分に戻れるか、戻るだけじゃダメでもっと強くなれるか。病気のせいにしたくないけど、人生のターニングポイントかなと感じました」。ギリギリまで自分を追い込んだプロ生活だった。

 早い引退となったが、就活で踏みとどまって飛び込んだ世界は充実していた。

「なかなか経験することができない環境で生きてきたのは自分の強みだし、お金では買えないすごく大きな財産」

 その経験を後輩らに伝えたいという思いが膨らんでいる。古巣の愛三レーシングに新設された上級アドバイザーに就任。「大学の自転車競技部からステップアップするのを形にできたのは良かったと思うし、一番上の世界を見られたからこそ分かった部分もたくさんある。日本国内のロードレースも年々レベルが上がっていますが、それ以上に世界はレベルが上がって、差が開いている感じがする。もう少し外へ意識を向けられるような形にしていけたらなと思う。若い選手のアシストをしていきたい」

 走り切った中根の、次のステージが始まる。(文中敬称略)

(松本 行弘 / Yukihiro Matsumoto)

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