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「0-102」の大敗から再出発 石巻工ラグビー部が失敗から学び、見出す夢への可能性

生徒たちのディスカッションに耳を傾ける天野(右)【写真:村上正広】
生徒たちのディスカッションに耳を傾ける天野(右)【写真:村上正広】

菊谷氏が「正直に自分の意見を言える環境は素晴らしい」と言った理由とは

 あいにく資格試験などと重なり、集まったのは1年生6人、2年生4人の少数精鋭。この日のプログラムはまず、教室を舞台としたディスカッションから始まった。

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 7月にFW(フォワード)は「ボール獲得率100% スクラム(時の膝は地上)5センチ」、BK(バックス)は「攻撃時はラックができてから3秒以内にラインをセット 防御時はタックル後、3秒以内に体勢を整える」という目標を設定。菊谷氏は部員たちに「“打倒・育英”というチーム目標、FW目標、BK目標それぞれに対し、よくできたと思うGOODな点、課題だと思うBADな点を、制限時間7分30秒で書き出してみてください」とタスクを与えた。各自で書き出し作業が終わると、次は書き出した内容を隣に座る仲間と共有。最後にそこで得た気づきや発見を全員に発表させた。

 1年生からはGOODな点として「目標を意識しながら練習に取り組めた」「チームでまとまりが出た」「育英戦前のアップは今までにないくらい良かった」など、BADな点としては「試合でも練習でもコミュニケーションが図れていなかった」「目標を意識した練習を始めるのが遅かった」などといった声が上がった。

 2年生からはGOODな点として「育英戦に向けてチーム力が上がった」「1対1の場面でタックルして大きい体格の選手を倒せた」など、BADな点として「育英戦までモチベーションが高まらなかった」「仲間との連携やセットプレーでミスが多かった」「プレーに関するコミュニケーションが少なかった」などという意見が聞こえた。

 時には大きく頷きながら全員の発表に耳を傾けた天野は「それぞれが自分の視点を持って取り組んだから、それぞれの意見が出てくる。みんなが自分の目線から考えた意見は全部が正解。自分とは違う視点もあったよね。意見を仲間と共有して、新たな気付きを得ることが大事だと思うよ」とアドバイス。続いて菊谷氏は「みんなの意見を聞いていると、プレー以外にも『ウォームアップをしっかりする』『声を出す』といった目標設定も必要かもしれない」と指摘した後で、こう言葉を続けた。

「新しい気付きも得られるし、目標の共有もできるから、定期的にこうやって意見交換の時間を作ってみるといいと思います。こうやって1年生も2年生も正直に自分の意見を言える環境は素晴らしい。そこはこのチームが誇るべきところ。自分の意見を言うことは時に失敗を伴うので、とても勇気のいること。失敗を恐れて意見を言わなければ、そこから何も始まらない。でも、このチームには言える環境があるのだから、それを生かしていこう」

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