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11年ぶりV藤田さいき支えた所属先社長 「勝ってほしい」のに生中継を見なかった理由

20日まで行われた女子ゴルフの国内ツアー・大王製紙エリエールレディスでは、藤田さいき(チェリーゴルフ)が11年35日ぶりのツアー通算6勝目を飾った。22日に37歳となったベテラン。1988年のツアー制施行後では、史上2番目のブランク優勝だった。藤田を支えてきた一人が所属先であるチェリーゴルフの南野剛之社長。元PL学園野球部で49歳の南野さんは、藤田がすさまじい努力してきたことを知る。勝ってもらいたい一心で意外な行動に出ていた。(文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

大王製紙エリエールレディスで優勝した藤田さいき【写真:Getty Images】
大王製紙エリエールレディスで優勝した藤田さいき【写真:Getty Images】

所属契約先「チェリーゴルフ」の南野剛之社長

 20日まで行われた女子ゴルフの国内ツアー・大王製紙エリエールレディスでは、藤田さいき(チェリーゴルフ)が11年35日ぶりのツアー通算6勝目を飾った。22日に37歳となったベテラン。1988年のツアー制施行後では、史上2番目のブランク優勝だった。藤田を支えてきた一人が所属先であるチェリーゴルフの南野剛之社長。元PL学園野球部で49歳の南野さんは、藤田がすさまじい努力してきたことを知る。勝ってもらいたい一心で意外な行動に出ていた。(文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

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 南野さんは、藤田の優勝を日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)公式サイトのスコア速報で知った。

「良かった。安心した」

 テレビの録画中継でウィニングパットを決めたシーンを確認した。

「入れた瞬間、しゃがみこんで両手を握りしめていましたね。それを見て、私は涙腺崩壊でした」

 ただ、南野さんは、インターネットでの生中継を敢えて見ていなかった。理由は、「私が見たら負けるかも」だった。6月の宮里藍サントリーレディス最終日は現地で観戦。首位スタートの藤田を応援した。結果は、山下美夢有に1打届かず2位。10月のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースもコースに足を運んだが、藤田は予選落ちした。

 今回は、「四国にいる職員がチケットを取ってくれていた」というが、「自分は見ない方が勝てる気がする」と決めつけていた。最終日の終盤から18番第2打までは、職員から電話で状況を聞き、結果はスコア速報を見ると決断。南野さんには、それほどの思いがあった。

 藤田との出会いは、2015年1月だった。同社が所属契約のプロを募る中、当時所属先がなかった藤田の名が浮上。面会の上、契約に至った。その前に藤田は子宮頸がんの手術を受けていたが、「また、勝ちたいです」と強い思いを口にしていたという。

 オフは、同社が所有する熊本・天草市のザ・マスターズ天草コースで合宿。シーズン中に見つかった課題と向き合った。埼玉西武ライオンズの元トレーナー・黒岩祐次氏の指導で、腰にベルトを付けた坂道ダッシュ、補助器具を使った手押し車などをひたすら繰り返した。

 PL学園時代は後輩の松井稼頭央(現・西武監督)らと白球を追った南野さんも、同じメニューを消化しようとした。だが、「無理でした。肺が潰れるかと思うぐらい、苦しい内容でした」と振り返る。

「合宿は例年、1月中旬から約1か月間。朝5時に起きて、6時にはトレーニングが始まります。午後からラウンドや練習をするという日々です」

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