“最強軍団”NZに7点差惜敗の真相 ラグビー日本代表、数字が示す進化とW杯への課題
ラグビー日本代表は4年ぶりの対戦となったニュージーランド代表“オールブラックス”を、31-38と追い詰めた。ノンテストマッチで行われたオーストラリアA代表相手に、最終戦で52-48とようやく1勝を挙げた3連戦から2週間で、過去6戦全敗している“最強軍団”に1トライ1ゴール差という過去最少の接戦を演じてみせた。敵地で挑むイングランド戦(現地時間12日/トゥイッケナム)、フランス戦(同20日/トゥールーズ)、そして10か月後に待つ8強突破を目指すワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けて、日本代表が目指すラグビースタイルを、オールブラックス戦の戦いぶりとゲームデータから読み解く。(取材・文=吉田 宏)
満員の新国立でオールブラックスに31-38、惜敗が選手に与えた自信
ラグビー日本代表は4年ぶりの対戦となったニュージーランド代表“オールブラックス”を、31-38と追い詰めた。ノンテストマッチで行われたオーストラリアA代表相手に、最終戦で52-48とようやく1勝を挙げた3連戦から2週間で、過去6戦全敗している“最強軍団”に1トライ1ゴール差という過去最少の接戦を演じてみせた。敵地で挑むイングランド戦(現地時間12日/トゥイッケナム)、フランス戦(同20日/トゥールーズ)、そして10か月後に待つ8強突破を目指すワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けて、日本代表が目指すラグビースタイルを、オールブラックス戦の戦いぶりとゲームデータから読み解く。(取材・文=吉田 宏)
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国内の日本代表戦では、2019年W杯日本大会のスコットランド戦で記録した6万7666人に次ぐ歴代2位の6万5188人、新国立競技場での観客数では、他競技をも凌ぐ過去最多のファンが見守るなかで“最強軍団”を追い詰めた。
「選手、チームは本当にいい試合をしてくれた。6週間一緒に練習をしてきて、チームとしても、選手同士もしっかりコネクトしてくれた。本当にオールブラックスに勝てるところまで来た、勝てるのに十分なチームになってきたと思うが最終的に届かなかった」
2016年から日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)も、大きな手応えを掴んだ7点差の惜敗。4年前に31-69で完敗した相手が、ラストワンプレーで通常ならタッチキックで試合を終わらせることができたのを、敢えてPGを選択して3点を加えたことを考えれば、実質4点差という戦いが、これからのジェイミージャパンに大きな自信をもたらすはずだ。FL(フランカー)のリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は“最強軍団”の背中を捕らえた感触を、こんな言葉で表現した。
「後は時間の問題です」
この日も、ラインアウトで相手ボールを奪い、ブレークダウンで攻守に体を張りチームを好ゲームに導き、プレー面で遺憾なくリーダーぶりを発揮した闘将はさらに言葉を続けた。
「セットピース、スクラム、ラインアウト、ラインアウトディフェンス、モールディフェンスも良かったので、自信を持ってプレーできました。準備した成果がゲームで出ています。実際やってみて、オールブラックスとの差はそんなになかった。全然いけるという感じでした。当たり負けもしなかったし、かなり自信を持ってヨーロッパ遠征に行けます。世界のトップのトップとやれるのが楽しみです」