過去4年で2度の箱根駅伝シード落ち 早稲田大が予選会で上げた“名門復活”への狼煙
今年1月の第98回箱根駅伝で13位に終わった早稲田大学は、今季は3年ぶりに予選会からの出発となった。そして、10月15日に行われたその予選会では、4位で無事に本大会の出場権を掴んだ。
花田勝彦監督の就任1年目、予選会4位で箱根駅伝出場権を獲得
今年1月の第98回箱根駅伝で13位に終わった早稲田大学は、今季は3年ぶりに予選会からの出発となった。そして、10月15日に行われたその予選会では、4位で無事に本大会の出場権を掴んだ。
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「3番以内というところを考えていましたが、直前に状態が上がってきていました。最後は少し波乱がありましたけど、(4位は)想定内かなと思います。欲を言えば3番以内に入りたかったが、アクシデントがあったなかでの4番というのは、次につながる」
今年6月からチームの指揮を執る花田勝彦駅伝監督は、胸を撫で下ろした様子だった。
箱根駅伝で総合優勝13回を誇る名門も、大学駅伝三冠(出雲、全日本、箱根)を達成した12年前のシーズンを最後に優勝から遠ざかっている。その後も上位争いに加わっていたが、2019年の第95回大会、そして今年の第98回大会と、この4年で2回もシード落ちを喫した。
名門再建を託されたのが、学生時代に箱根駅伝総合優勝の経験がある花田監督だ。選手としては五輪に2度出場。指導者としては、上武大を箱根初出場に導き、実業団のGMOインターネットグループでもマラソンなどで多くの好選手を育成するなど手腕を振るってきた。
早稲田の駅伝監督に就任して、まず取りかかったのが“土台作り”だ。早稲田の駅伝チームは少数部隊であるものの、スポーツ推薦で入ってきた選手は高校時代に全国トップクラスの実績を挙げた選手ばかり。典型的な“スピード型”のチームで、練習は個を生かすメニューが多かった。それをトレーニングから見直し、ベーシックな練習から再開した。
特にこの夏の過ごし方が、例年とは大きく違った。箱根予選会が10月に控えていたことも理由だが、例年以上に走り込み、スタミナ面の強化を図った。
とはいえ、いきなり練習量をガツンと増やすのではなく、上武大で指導していた時よりも練習量や設定タイムを少し落として課したという。それでも、「夏場は彼らが苦手な走り込みをしっかりやることができた」と言い、予選会には自信を持って臨んだ。
実は、予選会前の早稲田の評判はそれほど高くはなかった。9月24日の早大競技会で全体的に記録が振るわなかったゆえ、“ボーダーライン争い”という声も上がっていたほどだ。
ただ、妙高高原での3次合宿明けだったため、記録会の不振の原因は明確だった。「ここから疲労を抜いていけば大丈夫。下がるところまで下がったんで、あとは上がっていくだけ」と主将の鈴木創士(4年)が語っていたように、予選会本番に向けては状態が上がっていった。