「生きるために稼ぐって感じです」 早大アメフト部出身でNPBを目指す23歳吉村優の今
ドラフトで結果出なければ挑戦に区切り「『良い経験だった』で終わらせたくない」
ドラフトまで残り2か月。趣味は本屋巡りという読書家。自らの野球選手としての売りを「考える人であること」と表現する。
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「例えば、3アウトを取ってマウンドから降りてくる時に何を考えるか。何を野手に声かけるか。ベンチも含めて全員でピッチングをするのが、僕がやりたいこと。それがやれたらプロに近づくと思うし、結果を残せる投手はそんな投手じゃないかと思います。
ベンチに帰る時、3つのアウトをどう取ったか思い出して反省し、電光掲示板を見直して、次の回は何番からだからこう抑えようと思うのと、何も考えずに帰るのでは全然違う。野球は“間”が多いスポーツ。“間”に何をするかもピッチングの一つです」
そうした思考の深さがあるから、これまでも伸びてきたし、これからも伸びていけると信じている。
このドラフトで結果が出なければ、プロ野球を目指した競技生活には区切りをつける。「この1年を本気でやりきるため」と最初から決めていた期限。大学アメフト部出身、そして、現役大学院生が指名されれば、プロ野球の歴史に間違いなく名前が刻まれる。
「『良い経験だった』で終わらせたくない。『よく頑張ったね』と言われて終わることが一番嫌い。そう言われないためには結果を残すしかない。残り2か月、プロに入るのがゴールではない。プロに入って活躍するための時間にしたい。スタンドから見た時に『プロ野球選手っぽいな』と思ってもらえるような投手になりたい」
すべてをかけた挑戦。「10.20」は、人生を変える1日だ。
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(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)