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女子ゴルフ史に名を刻んだ妹・千怜 岩井ツインズの母は、それでも「明愛に気を遣わない」

歓喜する千怜(右)を出迎える明愛【写真:編集部】
歓喜する千怜(右)を出迎える明愛【写真:編集部】

母の「明愛に気を遣わない」の真意「1人がいいならもう1人は抜かすしかない」

 子供の頃から競い合ってきた。父・雄士さんによると、小学1年の持久走大会で2人はスタートから抜け出し、学年で1位(明愛)、2位(千怜)だった。

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 低学年は明愛が1位のままだったが、5、6年は千怜が1位。ゴルフでもその関係が続き、雄士さんは「2人とも負けず嫌いなので、スコアが悪かった方に『気にするな』と声を掛けていました」と振り返る。CATレディースでも、雄士さんは明愛のキャディーを務めた。ラウンド中は千怜の話は出さず、第2日を終えると、「とにかく明愛が予選を通ってくれて良かったです」と胸をなでおろした。

 だが、最終結果は33位。前週も53位で、観客から「お姉ちゃんも頑張らないと」の声が上がり、ネット上には「今、明愛プロは辛いところ」などのコメントもある。しかし、母・恵美子さんは冷静だった。

「こうなっても明愛に気を遣うことは全然しません。勝負の世界ですから、1人がいいのなら、もう1人は背中を追うか、抜かすしかないのですから。あとはどれだけ本人が努力できるかですし、私はこのまま『2人とも頑張れ』と両方を応援していきます」

 明愛もそんな思いを受け止め、連日、課題のパッティング練習に取り組んでいる。そして、「千怜のおかげで、『自分も優勝できる』という目標をくれました」と言えるようになった。現在のメルセデス・ランキングは59位。現実的に最大の目標を「50位以内に入ってシード権獲得」にしながら、明愛は「チャンスが来たら勝ちたいです」と言った。その時、千怜が上位にいれば、姉妹の夢「2人で優勝争い」が現実となる。

 持久走から続くバチバチのバドル。プロデビュー前から2人を取材してきた私も、焦らずに時を待ちたい。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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