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なぜ異例の“2チーム制”導入? ラグビー日本代表、23年W杯へ「NDS」がもたらす刺激

日本代表が6月18日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたウルグアイ代表戦に34-15と快勝して、ラグビーワールドカップ(W杯)プレイヤーのスタートを切った。この試合で初キャップを獲得したのは9人。若手と代表経験者がミックスされた顔ぶれだったが、メンバー全員が宮崎で継続中の代表合宿ではなく、大分・別府で行われた代表候補、NDS(ナショナルディベロップメントスコッド)合宿から選ばれたメンバーだった。日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が導入した、代表とNDSを使った強化プラン。なぜ指揮官は、異例のダブルチーム制を導入したのか。15か月後に迫るW杯フランス大会で掲げる8強突破という挑戦に向けた、強化構想を検証する。(取材・文=吉田 宏)

ウルグアイ代表戦に快勝したラグビー日本代表【写真:Getty Images】
ウルグアイ代表戦に快勝したラグビー日本代表【写真:Getty Images】

ウルグアイに34-15で勝利、NDSメンバーの日本は9人が初キャップ

 日本代表が6月18日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたウルグアイ代表戦に34-15と快勝して、ラグビーワールドカップ(W杯)プレイヤーのスタートを切った。この試合で初キャップを獲得したのは9人。若手と代表経験者がミックスされた顔ぶれだったが、メンバー全員が宮崎で継続中の代表合宿ではなく、大分・別府で行われた代表候補、NDS(ナショナルディベロップメントスコッド)合宿から選ばれたメンバーだった。日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が導入した、代表とNDSを使った強化プラン。なぜ指揮官は、異例のダブルチーム制を導入したのか。15か月後に迫るW杯フランス大会で掲げる8強突破という挑戦に向けた、強化構想を検証する。(取材・文=吉田 宏)

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 国内では昨年10月23日のオーストラリア戦(大分)以来、聖地・秩父宮では17年5月6日の香港戦以来5年ぶりのテストマッチを、満員には至らなかったが1万4448人のファンが満喫した。世界ランキング19位のウルグアイに、同10位の日本が実力差を見せつけた試合。強力FWを伝統とする相手をスクラム、モールで押し込み、代表デビューのWTB(ウイング)根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)らがスピードに乗った連続攻撃からトライをもぎ取ったが、このチームに、宮崎の代表合宿メンバーは1人もいなかった。

 日本代表の指揮権はジョセフHCが持つが、このテストマッチ限定の措置として陣頭指揮を執ったのは、別府でチーム作りを続けてきたNDSの堀川隆延HC。日本代表“代行HC”は、異例のダブルチームによる強化のメリットを力説する。

「間違いなく、代表とNDSという2チーム制は、選手の層を広げていくという意味で代表強化には必要なものだと思います。2019年のW杯で日本代表が躍進した時も、(大会前に)サンウルブズ、ジャパンA(日本A代表)、ウルフパックと、(代表との)2チーム制で選手の層を広げたことが、結果に繋がったと思っています。今後も代表強化としては継続してやっていくべきだと思う」

 サンウルブズは代表クラスの日本選手で編成されたスーパーラグビー(SR)参戦チーム、ウルフパックは今回同様、NDSで編成された臨時チームで、SRのアカデミーチームと国内外で対戦した。このような前例をベースとして、日本代表とさらに密接に連携した強化が今回のダブルチームの特徴だ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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