ツアー2勝から賞金0円に低迷 「闇」から復活へ、女子ゴルフ堀奈津佳「7年間の闘い」
「ショットの反応病」で深い谷底…70台で回るのに必死
「ショットの反応病でした。とにかくドライバーの症状は最も酷く、打った瞬間に大きく左に出てOBということもありました。左が嫌で右にミスをすることもあり、70台のスコアでラウンドすることにも必死でした。不調というよりも、深い谷底、闇に陥っている感じです。私自身も長い闘いになることを覚悟しました」
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
本人は、闇に陥った切っ掛けを「いい時に『もっと綺麗なストレートボールを打ちたい』と思ったから」と言った。ストイックな性格ゆえに完璧を求め、試行錯誤する中で迷走。指導を始めた井上氏は、堀に寄り添い、さまざまなことに取り組んだという。
「まずは、どういうものが彼女に合うのか、それを悶々と探しました。そして、練習場でいい球が出るようになり、コースで打ちのめされる繰り返しでした。なので、彼女の手応えのあるショットのデータ(数字)を残していきました。その過程で、ドローも試しましたが、今のフェードを軸にしたショットに行き着きました」
ただ、「ショットの反応病」は、「心」に起因するところが大きい。それを克服するために、井上氏は「小さな目標を立てて、クリアし、少しずつ自信を取り戻すことが大事」と、堀に伝えた。
「70台を出せない時は、『ハーフ39を出そう』と言いました。OBが当たり前のように出ても、アプローチ、パターで頑張ってそれをクリアしていく。『次は70台』という感じでした。そういう中でも、奈津佳は試合に出て懸命にプレーを続けました。辛くて何度も涙したと思いますが、殴られても、殴られても立ち上がるボクサーのようにあきらないですし、『練習が嫌だ』とは一度も言ったことがない。これは、なかなかできることではないです」