1人で3つの「代表」務める現役Jリーガー 宇賀神友弥、埼玉・戸田から始めた異色の挑戦
今季からサッカーJ3のFC岐阜に加入した元日本代表DF宇賀神友弥はここまでリーグ戦全12試合に出場し、6月12日に行われた鹿児島ユナイテッドFCとの第12節では決勝ゴールを決めている豊富な経験と圧倒的な運動量を武器に、タッチライン際で存在感を放つサイドプレーヤーだ。
3つの事業代表を務める宇賀神のスタートは地元・戸田に作ってフットサルコート
今季からサッカーJ3のFC岐阜に加入した元日本代表DF宇賀神友弥はここまでリーグ戦全12試合に出場し、6月12日に行われた鹿児島ユナイテッドFCとの第12節では決勝ゴールを決めている豊富な経験と圧倒的な運動量を武器に、タッチライン際で存在感を放つサイドプレーヤーだ。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
全力疾走はピッチ内だけではない。ピッチ外の活動にも力を注ぐ。
宇賀神がフットボールスクール&フットサルコートを開校したのは2018年末のこと。「Esforco football school(フットボール・スクール・エスフォルソ)」と名付け、Esforcoとはポルトガル語で「努力」を指している。(取材・文=藤井雅彦)
◇ ◇ ◇
「僕は埼玉県戸田市で生まれ育ちました。戸田市サッカー協会が発足して50年以上の歴史があり、浦和市から車を走らせれば20分くらいの距離です。それなのにプロサッカー選手を僕ひとりしか輩出できていない。この状況を変えるために、自分が動き出さなければいけないと思いました」
幼少期時代は朝から晩までボールを蹴って過ごした。立派な天然芝のはずもなく、当時のスタジアムは学校の校庭だ。しかし、現代社会は様相が大きく異なる。
「僕が子どもの頃は始業前からボールを蹴って、汗だくの状態で1時間目の授業を受けていました(笑)。放課後は暗くなってボールが見えなくなるまでサッカー。それが普通でした。でも現在は違います。校庭を使ってはいけない場合の方が多く、ボールを蹴る環境すらありません。だから、まずは環境を整えようと考えました」
フットサルコートの建設は活動の一端に過ぎない。台風で甚大な被害が出た際にはグラウンド再建を、コロナ禍においてはマスクや食料品の提供などを行ってきた。
すべては現役のプロサッカー選手だからこそできる社会貢献。その先にあったのが女性アスリートの価値を高め、社会的地位を向上させる働きかけだった。
それが女性アスリート支援プロジェクト「aim」だ。
2019年頃からプロジェクトの構想をスタートさせた。きっかけは女性アスリートの置かれる厳しい環境を目の当たりにしたこと。日本代表クラスともなれば「それこそ技術や体の使い方は僕よりも上手い」と舌を巻くレベルにもかかわらず、収入面などは依然として厳しい状況にあり、問題視する声は多い。