「1プレーに覚悟があるか」 2季連続CS4強で涙、川崎HCが語る宇都宮との差とは
昨季から引き継いだ3つの課題、選手同士の対話は増加
――昨季(2020-21)はCSセミファイナルで宇都宮ブレックスに完敗を喫しました。どのような課題を引き継がれましたか?
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「主に3点あります。1つ目は、オフェンスでニック(・ファジーカス)に頼りすぎないよう、他の選手がシュートを打つオプションをたくさん作ること。2つ目は、自分たちの軸を作り直すこと。昨季の終盤戦、我々はビッグラインナップに依った戦い方を取りましたが、それによって元々軸にしていた『相手よりも先に準備して、自分たちのやりたい方向に仕向ける』というところが徹底できなかったので。
3つ目は選手同士で話し合う機会を増やすこと。これまではミーティングをやってもニックが喋っておしまい、ということが多かった。それぞれが意見を言い合い、選手全員で問題を解決していく意識を身につけさせようとしました」
――コミュニケーションは、昨季も大切にされていました。
「昨季はとにかくコミュニケーションを取ろうという感じでしたが、今年は『選手同士』というところを強調しました。何かあったら必ず選手同士で話す、対戦相手のスカウティングのあとは、それぞれが持っている相手の情報を共有するという取り組みを、シーズンを通してずっと繰り返しやってきて、とても大きな成長を感じました」
――コミュニケーションという点で、成長を感じた選手はいましたか?
「キャプテンの(藤井)祐眞は、今季よく引っ張ってくれました。特に、日本人選手と外国籍選手間のコミュニケーションをどんどん活発化させてくれました」
――以前、藤井選手が「外国籍選手とのコミュニケーションは基本的に日本語でゴリ押しです」と言っていました。英語が得意なわけではないんですよね。
「そうですね、日本語となんちゃって英語で(笑)。でも上手くやってますよ」
――ジョーダン・ヒース選手とパブロ・アギラール選手にお話を聞く機会がありましたが、2人とも藤井選手のことを「大好き」と言っていました。
「日本人選手って感情をあまり表に出そうとしないですけど、祐眞は『絶対に負けたくない』『絶対にこれをやってやる』みたいな気持ちが前面に出るじゃないですか。外国籍選手にとっては、そこが分かりやすいのがいいのかもしれませんね」