少子化に教員不足…部活のあるべき姿とは? 78歳名将の願い「人間づくりを忘れずに」

部活指導歴50年、名伯楽が語る「あるべき姿」
昨今、教員の長時間勤務が常態化したこともあり、教員不足と志願者の減少が深刻だ。文部科学省は今年1月31日、教師不足に関する実態調査の結果を公表。昨年4月の始業日時点で、全国の公立小中高校・特別支援学校へ配置された教員は、定数より2558人少なかった。中学は868人、高校は217人だった。
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少子化と専門教師の不足、顧問の長時間労働が重なり、部活動の危機が叫ばれて久しい。スポーツ庁は18年3月、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し、検討を重ねてきた。20年9月には、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の方策と時期を明示。同庁の有識者会議は今年4月26日、「運動部活動の地域移行に関する検討会議」を開き、公立中学の休日の部活動指導を学校から民間団体などに委ねる「地域移行」を23~25年度の3年間で推進する提言案を示した。
高校で39年、中学で11年、計50年も部活動に携わる萩原さんは、部活動のあるべき姿や今後についてどんな所感を抱いているのか。
「部活動は学校教育の一環、人間教育の場なので存続してほしいが、これからは“クラブ化”が進んでいくのではないか。文科省は来年度あたりから部活動という形態を残しながら、その中にクラブチームを組み込むシステムを考えているんだと思います。そうすることによって低迷する競技を活気付けようという狙いもありますね。今はその移行期。どういうやり方にしても、本来スポーツのあるべき姿は、人間づくりだということを忘れずに続けていくことですよ、それがこれからも変わらぬ部活動のあり方。指導者はそういう意識を持ってやってほしい」
坂戸西高時代の米山達也は1年生なのに、1年生が担当するネット張りやドリンクづくりを手伝わなかった。主力というおごりからだ。雷が落ち、大目玉を食らった。
「上達できるのは裏方のおかげ、仲間がいるからだ」
原点にあるのは人間づくり。これこそ50年に及ぶ指導者として、教員としての萩原さんの拠りどころだったのではないか。
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(河野 正 / Tadashi Kawano)
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