宗像サニックス「永遠のノーサイド」 28年の歴史に刻まれた“非エリート集団”の団結力
チーム名に込められた地域密着の理念
43歳まで続けた現役とスタッフとして、これだけの時間を過ごしてきたからこそ感じるブルースの魅力もある。
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「いろいろありますけど、敢えて簡単に言えば、昔からですがエリート集団じゃないということです。会社も、他のチームのように大きくはない。そのなかでも、ラグビーという土俵で競争して勝つことがあれば、サニックスが東芝に、神戸製鋼に勝ったというニュアンスだけで世の中に『おっ』と思ってもらえる。もちろんエリートを集めようと思えば、お金をかければできるのかもしれないですけど、私たちは限られたなかでベテランと若手がいい感じに入り混じっている状況で、エリートばかりではない。そのなかで、どうやって団結して、まとまって戦っていけるかを考えながら戦ってきた。ラグビーって1人ではできないスポーツですから、そこがこのチームのいいところだと思いますね」
2014年からは、チーム名称から福岡を外して、敢えて「宗像」と名乗ることを決めた。国内企業チームではあまり前例がないことだったが、地域とともに進化していきたいというチームの理念が反映されている。
「こんな何もないところから国内トップのリーグに参戦して、関東に行ったり関西に行ったりと、様々なところで試合ができる。その土地では初めて聞くような、『なんて読むの?』という宗像という名称がついているチームです。それが全国各地に出て行くことで、地域の広告にもなりますから。今リーグワンを見ても、どのチームも東京、東京と名乗っていますからね。敢えて福岡から宗像に名前を変えて、地域密着で宗像と一緒に、という思いはチームに継承されてきました」
(後編へ続く)
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)