二刀流の聖地に衝撃を残した大谷翔平 活躍した試合の相手の取材でいつも感じること
米大リーグのエンゼルス・大谷翔平投手が5日にボストンで行われたレッドソックス戦に先発し、7回を6安打無失点、11奪三振で今季3勝目(2敗)を挙げた。約1世紀前に投打の二刀流で活躍したベーブ・ルースが本拠地とした「フェンウェイ・パーク」で初登板。打者としても「3番・指名打者」で出て4打数2安打1打点の活躍を見せた。この球場で先発投手が4番までの上位打順に入ったのは、1919年9月20日のルース以来だった。聖地で「リアル二刀流」が実現するとあって、ボストンのメディアも特集を組むなど注目を集めた中、大谷はマウンドで大きな衝撃を与えた。(取材・文=岡田 弘太郎)
「現地ライターコラム」投手・大谷の数字が示す圧倒的な支配力
米大リーグのエンゼルス・大谷翔平投手が5日にボストンで行われたレッドソックス戦に先発し、7回を6安打無失点、11奪三振で今季3勝目(2敗)を挙げた。約1世紀前に投打の二刀流で活躍したベーブ・ルースが本拠地とした「フェンウェイ・パーク」で初登板。打者としても「3番・指名打者」で出て4打数2安打1打点の活躍を見せた。この球場で先発投手が4番までの上位打順に入ったのは、1919年9月20日のルース以来だった。聖地で「リアル二刀流」が実現するとあって、ボストンのメディアも特集を組むなど注目を集めた中、大谷はマウンドで大きな衝撃を与えた。(取材・文=岡田 弘太郎)
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「好きな球場なので楽しみにしていました」
メジャー最古の球場のマウンドに上がる喜びを、右腕が最高の結果で表現した。強打のレッドソックス打線から無四球で11三振を奪う支配的な投球を披露。1試合でのキャリアハイとなる空振りを29回奪い、1試合での空振りと見逃しのストライク率を表す「Called Strike Plus Whiff Rate」(CSW)は46%で、リーグ平均を15%ほど上回った。中でも圧巻だったのは、ストライク率81.8%という数字。今季最多の99球を投げて81球がストライクだった。
6回まで両チームともゼロが並ぶロースコアの展開で、ストライクゾーンで勝負して球数を抑えながらこれだけ支配的な投球をすることは理想的と言える。エンゼルスのジョー・マドン監督は大谷のパフォーマンスについて「異次元的だ」と表現。「今週は脚の付け根に違和感が出ながら試合に出場していた。昨晩は寒い気候の中、11時まで試合に出た。そしてその翌日に今シーズンベストの投球をした。とても特別なことだ」と賛辞を惜しまなかった。
実際、マドンは4日の試合後に大谷の状態を確認するまで100%のゴーサインを出さなかったし、ハード日程で迎えた登板当日まで本当にマウンドに上がることができるのか確証は持てなかった。だが、蓋を開けてみれば今季最高のパフォーマンスを見せてチームを勝利に導いた。各メディアで「SUPER HERO」的な取り上げ方をされることの多い大谷だが、この日の投球もまさに「HERO」の活躍だった。