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「パリ五輪」&「世界8強」へ挑戦 ラグビー女子日本代表、強化責任者が語る勝負の1年

「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」を幕開けにスタートした女子ラグビーのスペシャルシーズン。9月の7人制(南アフリカ)、10・11月の15人制(ニュージーランド)と、ダブル開催となるワールドカップ(RWC)に日本代表も参加を決めている。現在オーストラリア遠征中の15人制代表は、同国女子代表をはじめ3試合を行うなど10月の本番へ向けて強化を推し進める。7人制もカナダでの国際大会へと飛び立った。両代表ともにRWCでターゲットにするのは決勝トーナメント進出。日本ラグビーフットボール協会も、女子代表の強化費は過去最大を計上して、サクラセブンズ&サクラフィフティーンを“満開”へと後押しする。(取材・文=吉田 宏)

女子15人制日本代表は10・11月のRWCに向けてマッケンジーHCの下で強化を進める【写真:JRFU】
女子15人制日本代表は10・11月のRWCに向けてマッケンジーHCの下で強化を進める【写真:JRFU】

「女子ラグビーの現在地」後編、7人制と15人制のRWCが今年“ダブル”開催

「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」を幕開けにスタートした女子ラグビーのスペシャルシーズン。9月の7人制(南アフリカ)、10・11月の15人制(ニュージーランド)と、ダブル開催となるワールドカップ(RWC)に日本代表も参加を決めている。現在オーストラリア遠征中の15人制代表は、同国女子代表をはじめ3試合を行うなど10月の本番へ向けて強化を推し進める。7人制もカナダでの国際大会へと飛び立った。両代表ともにRWCでターゲットにするのは決勝トーナメント進出。日本ラグビーフットボール協会も、女子代表の強化費は過去最大を計上して、サクラセブンズ&サクラフィフティーンを“満開”へと後押しする。(取材・文=吉田 宏)

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 国内では太陽生命シリーズで一足先に咲きほころび始めた女子ラグビー躍動の2022年シーズン。時を同じくして15人制日本代表が、ラグビー強国・オーストラリアでの武者修行をスタートしている。

「まずは3試合すべてに勝つことが目標です。日本代表がワールドカップのような強度の高い経験をする機会は少ない。今回の遠征では、まずそのような経験をして、本番へ向けた準備に力を注いでいきたい」

 南半球へと飛び立つ前に遠征の意気込みを語ったのは、女子15人制日本代表を率いるレスリー・マッケンジー・ヘッドコーチ(HC)だ。女子カナダ代表として2度のRWCに出場し、ニュージーランドでの選手、コーチ経験を買われて2019年に日本代表HCに就任。日本の弱点でもあった接点のコンタクト強化をベースに、世界規格の戦術、スキル、フィジカル強化をチームに落とし込んできた。同年11月のヨーロッパ遠征では当時ワールドラグビーランキング6位のイタリア代表と17-17、同11位のスコットランド代表には24-20と勝利して、“サクラフィフティーン”をランク16位から過去最高の12位へと押し上げ、世界トップ10クラスの相手にも渡り合えるまでに鍛え込んできた。

 今回の遠征ではオーストラリア(ランキング5位)、フィジー(同21位)とのテストマッチと、オーストラリア協会がトップ選手を招待するオーストラリアンバーバリアンズとのノンテストマッチの3試合が組まれている。実質上の強化委員長として女子15人制日本代表ナショナルチームディレクターを務める日本協会の浅見敬子副会長は、強豪国への遠征が実現した背景には国際統括団体ワールドラグビーの女子強化戦略があるという。

「ワールドラグビーが間に入ってくれています。彼らとしても、世界の上位チームをトップ6、ボトム6と捉えるなかで、その差を埋めていきたいという思いがあります。日本も入っているボトム6が、どうすればトップ6をさらに突き上げることができるかです。具体的には、各国に、ここのチームが対戦相手を探しているというネゴシエーションなどをしています。ヨーロッパのチームは女子6か国対抗がありますけれど、それ以外の国々の強化をどうやって進めていくのかを考えているのです。例えばフィジーや我々日本、南アフリカなどですね。そこでワールドラグビーが上手く情報を流してくれていて、オーストラリアやフィジーとできないだろうかというアイデアがどんどん上がって、上手くテストマッチが組めることになったのです」

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浅見敬子

日本ラグビーフットボール協会副会長(女子15人制日本代表ナショナルチームディレクター) 
1977年3月4日生まれ、東京都出身。日体大在籍時の1996年に15人制女子日本代表に初選出。ニュージーランドへのラグビー留学も経験し、2004年からは7人制女子日本代表でも活躍した。07年の引退後は女子日本代表のコーチとなり、12年からは7人制女子日本代表ヘッドコーチとして16年リオデジャネイロ五輪出場に導いた。現在は日本ラグビーフットボール協会副会長、女子15人制日本代表のナショナルチームディレクターを務める。

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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