渋野日向子と共通するテレサ・ルーの人間性 緊迫のV争い中に見たスポーツマンシップ
渋野と重なる「強くて良い人」という姿
言葉通り、テレサは元気いっぱいにプレーしていた。ドライビングディスタンスは252.167ヤードで全体1位。15番の第1打は、西郷より40ヤード以上前に飛ばした。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「ドライバーがめっちゃ飛んでいたね。気持ちいいっす。自分のゴルフも良くて楽しかった。もう、少し頑張れば追いつくかもしれないと思ったよ。できなかったけど」
落ち込んだ様子は見せず、テンポ良く話し続けた。週初めの25日は、全米女子オープン日本予選に出場して36ホールをプレーした。4月上旬には、米女子ツアーのロッテ選手権に出場。2位に入った渋野日向子が優勝を争った相手を称え、応援しながらプレーする姿を見て、「楽しそう。心、広い」と感じたという。
渋野に感化されるまでもなく、テレサはスポーツマンシップと人間力にあふれている。同組の選手がパットに入る際、対角線上にいたテレビ中継スタッフに「そこ、どいてください」と声を掛けたりもする。
かつて、宮里藍の父でコーチの優氏は「ゴルファーの前に人格者であれ。ゴルフは人格形成のためのツールだ」と言った。全プロゴルファーがそうした教えを受けている訳ではないだろうが、テレサ、渋野のような「強くていい人」が活躍することで、他の選手も好影響を受ける。この流れが、ゴルフに限らず、スポーツ界全体に広がってほしい。それをあらためて感じさせてくれた大会だった。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)