創部100周年で大学日本一 慶大ラグビー部元主将の運命的キャリア、就職5年で訪れた転機
NHK入社5年目に感じた、“人の顔が見える”仕事への欲求
NHK時代は山形を中心にディレクターとして活躍していた高田だったが、就職から5年で人生のロードマップは、中学、大学受験と同様、再び楕円球のように不規則に跳ねることになる。
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「仕事を続けるなかで、テレビの世界がどうしても作った先が見えないという感覚だった。作ったものに対して、それがどう受け止められているのか、すごく手触り感がなかったんです。メディアで仕事をするなかで、エンドユーザーが見えない、自分が主体となり、何か事業をしていきたいという思いが強くなってきた。ラグビーをやっていた影響もあるのかもしれませんね。NHKから不動産業に転職した方から、リアルのものを作って、そこに集まる人の顔が見える実感がNHKにいた時と全然違うんだというような話を聞いたんですね。そういう世界があるのなら飛び込んでみたいという気持ちが芽生えて、転職を決めました」
選んだ新天地が三菱地所だった。NHK同様に楕円球とはかけ離れた世界への再挑戦だったこの“バウンド”が、高田を再びラグビーに結びつけることになるとは本人も夢想だにしていなかった。
(文中敬称略/後編へ続く)
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)