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退職してまで支えてくれた父 女子ゴルフ三ヶ島かな、初Vまで半年連絡取らない覚悟の独立

初優勝した際の父との2ショット【写真:本人提供】
初優勝した際の父との2ショット【写真:本人提供】

初優勝までにさまざまな苦労と決断…父親からも“独立”

 誰に何を言われようが、実力で手にした初優勝と賞金3000万円。だが、そこにたどり着くまでには、さまざまな苦労と決断があった。ゴルフを始めた10歳から時から二人三脚で歩んだ父の直(すなお)さんからも“独立”した。

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「昨年5月16日、『ほけんの窓口レディース』最終日の朝に、私から父に『来週から自分でやる』と伝えました。それまでは、ずっと父がツアーに帯同してキャディーや車の運転、さまざまな手続きをしていました。それが当たり前になっていたのですが、『1人でやらないと見えない世界がある』『何かを変えたい』『甘えているところを削りたい』という思いがあり、半年以上は悩みました。父はすぐに私の思いを理解してくれて、その試合を最後に帯同しなくなりました」

 言葉通り、三ヶ島は翌週からキャディーの手配、車の運転もするようになった。

「自分で言ったからにはしっかりやらなければと思いました。それまでは父が疲れている中で運転している姿を見て、気を遣っている自分もいました。始めてみるときつかったけど、1人の時間が増えたことで冷静にいろんなことを考えられました。

 面白いことに昨年11月下旬、リコー杯の前週にゲッターズ飯田さんの本『金のカメレオン座』を読んでいたら、『2021年5月、あなたの生活のベースとなるもの(生活環境)が変わる。苦労するだろうけど、新たな人生の基盤になる』という内容のことが書かれていました。すごく勇気をもらって、その翌週に初優勝ですから感謝の思いでいっぱいです。今、一番会いたい人はゲッターズ飯田さんです」

 一方で、父とは連絡さえ取らなくなっていた。三ヶ島自身が1人の行動に慣れ、リズムができていたからだ。そして、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ第3ラウンド(R)で単独首位に立ち、2位古江彩佳と3打差で最終Rに入った。

「1番からバーディーを取れましたが、古江さんが入れ返してきて、キャディーさんと『やっぱ、入れ返してくるよね』『そりゃ、そうだ』と話していました。2番では古江さんが、第2打で直ドラ(ティーを刺さないドライバーショット)を打って気合を感じましたが、私もスキを見せないようにずっと笑顔でいました。

 そんな中、4番のロープ外にいる父に似た人を見かけたんです。でも、『ここに来るかな~』と思って、気にすることを止めました。15番パー4では、第2打がバンカーで『目玉』の状態になりましたが、『何でここに突き刺さってるんだ』と言って、笑いました」

 古江が追い上げてきた状況で三ヶ島はボギーを打つも、16番パー3、17番パー4で連続バーディー。18番パー4はパーセーブで試合を制した。そして、仲間たちから祝福された後、約6か月ぶりに父と再会した。

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