宇野昌磨のおかげで人生が変わった台湾女性 銅メダルに映る“4つの表情”を描いた想い
「THE ANSWER」が北京五輪期間中に展開した特集「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」で配信したフィギュアスケートの連載「氷の絵師たちのエール」。競技への愛情をイラストに込め、スケーターを後押しするファンの想いと作品を紹介した。好評につき、大会終了後も掲載延長。大会期間中に紹介しきれなかった作品を届ける。第19回は男子シングル&団体戦で銅メダルを獲得した宇野昌磨を描いた台湾の20代女性ファン「七二」さん。
連載「氷の絵師たちのエール」第19回
「THE ANSWER」が北京五輪期間中に展開した特集「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」で配信したフィギュアスケートた連載「氷の絵師たちのエール」。競技への愛情をイラストに込め、スケーターを後押しするファンの想いと作品を紹介した。好評につき、大会終了後も掲載延長。大会期間中に紹介しきれなかった作品を届ける。第19回は男子シングル&団体戦で銅メダルを獲得した宇野昌磨を描いた台湾の20代女性ファン「七二」さん。
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海の向こうにも、日本のスケーターを愛する人がいた。
20日に閉幕した北京五輪。宇野は4日に行われた最初の種目、団体戦の男子ショートプログラム(SP)で日本の先陣を切り、自己ベストを記録した。日本フィギュア初の銅メダル獲得に大きく貢献した。
そして、個人戦は世界選手権3連覇のネイサン・チェン、五輪2連覇の羽生結弦らとの史上空前のハイレベル決戦を演じ、銅メダルを獲得。平昌五輪銀メダルに次ぐ、2大会連続の快挙だった。
そんな宇野に声援を送ったのが、台湾の20代女性「七二」さん。「あまり上手ではありませんが……」と言いながら日本語でメッセージを寄せた。
宇野との“出会い”は2016年、グランプリ(GP)シリーズのスケートアメリカ。ルールすら知らなかったが、中継を見て宇野のフリー「ブエノスアイレス午前零時 ロコへのバラード」に目を奪われた。
「当時は日本語がわからなかったし、試合のニュースも知りませんでした。2018年の4大陸選手権の終わりに(会場の)台北アリーナの入口で彼が台湾に来て大会に出場したことを知り、観戦する機会を逃しました。私はそれを後悔しています」
以降、宇野の試合を見逃すことはなかった。2018年平昌五輪は銀メダルを獲得。「オリンピックの次のシーズン、宇野選手は自分自身に良い結果の呪縛をかけました」。五輪メダリストとしてトップを維持するために自らを追い込み、プレッシャーをかけているように映った。
2019-20年シーズンはコーチを離れた。単身で挑んだGPシリーズ・フランス杯で8位に終わった際、「キス・アンド・クライでの彼の強引な笑顔を今でも覚えています」という。「でも、2019年は奇跡的な変革の年でした。宇野選手がスケートを諦めなかったことに感謝します」
大きな転機となったのは、ステファン・ランビエールコーチとの出会い。スケートの楽しさを思い出したかのように、徐々に復調した。2021年世界選手権は19年大会と同じく4位だったが、笑顔があったことが印象に残ったという。
そして、24歳で迎えた今大会で2つのメダルを獲得した。