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「フィギュア選手とメイク」の奥深き世界 演者へと切り替える“職人”のこだわり

メイクの効果は「演者に切り替わる『やる気スイッチ』」という石井さん【写真:コーセー提供】
メイクの効果は「演者に切り替わる『やる気スイッチ』」という石井さん【写真:コーセー提供】

最も印象的だった選手は「宮原知子」

 メイクブースを始めて約15年。ジュニアの選手からオリンピアンまで、数多くの選手と接してきた石井さん。メイクアップアーティストの視点から最も印象深い選手は? という問いに、宮原知子(木下グループ)を挙げた。

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「コーチに連れられて初めてメイクブースに来た時、彼女はメイクのメの字も知らず、コーチからメイクを教えてあげて欲しいと嘆願されました。その際、メイクのイメージを引き出すコミュニケーションをしましたが、声もとても小さく控えめで大人しい選手だったのです。

 宮原さんは年々、私の提案する強めのメイクにも挑戦してくれ表現の幅を広げるとともに、メイクの腕もどんどん上達されていると思います。2016年にアメリカで実施したコーセー・チームチャレンジカップでは、『会心の演技ができたらガッツポーズで気持ちを表現してね』と伝えると、氷上でガッツポーズをしてくれたこともありました。今ではメイクブースでの会話も、ノリと突っ込みのトークばかりです(笑)」

 宮原といえば、平昌冬季五輪のショートプログラム「SAYURI」の凛とした目元のメイクが印象的だ。「妖艶で和の雰囲気を出すために、目元に赤を取り入れるといいよ」。見せ方を考えるなか、石井さんのアドバイスを受けた彼女は、最終的に目まわりに赤いシャドウを幅広く入れた。

 外観を美しくすることで内面も美しくなる。それがメイクの持つ力だと、石井さんは信じる。

「当時は、メイク初心者だった宮原さんも、メイクがどんどんうまくなり、徐々に自信に満ちてきて、本当に会うたびにきれいになっていきました。

 美しくなる力をスポーツシーンに置き換えると、演者に切り替わる『やる気スイッチ』。フィギュアスケーターにとって、メイクアップが作品の世界に入り込む力になればという思いを持って、この仕事を続けています」

【私がフィギュアスケートを愛する理由】

「メイクアップアーティストとして一番嬉しいのは、お客さまが私たちのメイクに感動してくださる瞬間。なかには、涙を流して喜んでくださる方もいます。そして、フィギュアスケーターの皆さんは私にとって、感動を与えてくれる存在。目標に向かって自分を追い込み、ケガと闘いながらひたすら努力し、挑戦し続ける姿は本当に尊敬します。その道のりを経て、最高のジャンプ、最高の演技でやり切った選手を見た瞬間は、本当に涙が出るほど感動しますし、そこがフィギュアスケートの大好きなところです」(コーセー メイクアップアーティスト・石井勲さん)

 ※「THE ANSWER」では北京五輪期間中、取材に協力いただいた皆さんに「私がフィギュアスケートを愛する理由」を聞き、発信しています。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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