「フィギュア選手とメイク」の奥深き世界 演者へと切り替える“職人”のこだわり
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#93 連載「銀盤のささえびと」第7回・メイクサポート
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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連載「銀盤のささえびと」では、選手や大会をサポートする職人・関係者を取り上げ、彼らから見たフィギュアスケートの世界にスポットライトを当てる。第7回は「メイクサポート」。株式会社コーセーのメイクアップアーティスト・石井勲さんは多くのスケーターのメイクサポートを手がけてきた。強さと美しさが共存する競技に情熱を捧げる理由、そしてメイクが選手にもたらす効果について明かした。(取材・文=長島 恭子)
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2006年より、日本スケート連盟のオフィシャルパートナーである株式会社コーセー。化粧品製造・販売を手がける同社では、NHK杯、全日本選手権、そしてコーセー新横浜スケートセンターでのアイスショー「Dreams on Ice」を中心に、フィギュアスケーターのメイクサポートを行う。
「メイクアップはフィギュアの世界観を高める表現の一つ。衣装、曲、演じるイメージから、選手たちが演じる世界をいかに引き上げていくか。そういった視点から、メイクの強弱や色のバランスなどが重要となります」
そう話すのは、コーセーのメイクアップアーティスト、石井勲さん。フィギュアスケートやアーティスティックスイミング日本代表のメイク監修など長年アスリートのメイクをサポートしている。
フィギュアスケートにおいては、数百人にわたる世界各国の選手へメイクを手掛け、選手の表現力アップに貢献してきた。
石井さんらは、08年のグランプリ(GP)シリーズ・NHK杯で初めて、フィギュアスケートの競技会でメイクブースを設置。しかし、当時は大会中、日本の選手は一人も来なかったという。
「当時来てくれたのがアメリカ代表の長洲未来さんだけ。日本の選手からは『この人たちは誰なのだろう?』と怪訝にみられる勢いで(笑)、誰も来なかったんです。
その後も2、3度競技会でブースを出しましたが、やっぱり選手は来ない。その後、選手たちから話を聞き、試合当日はどこからメイクをスタートするか決めている、他人とあまり触れないようにしているなど、それぞれにルーティンがあることを知りました。
それからメイクサポートは、競技会のエキシビションとアイスショーに限りやることにしています」