斎藤佑樹を動かした1人の高校生 「1本200円のレモネード」で子供の命を繋ぐ活動
清水理事長「街としてもいい回転が生まれている」
「小児がんにはサポート、支援が必要だということをもっと多くの人に知ってもらいたい」。高校生の心のなかに生まれた想いの渦が、仲間を、企業を、アスリートを巻き込んだ。今、その想いは波紋のようにスポーツを楽しむ人々に広がり始めている。
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「地元チームの応援で会場に訪れた足で、ジュース一杯飲むことで、自分も社会貢献ができる。そのことで、みんなが喜びを持ってくれるので、街としてもいい回転が生まれていると思います」(清水理事長)
試合後、家路に就く観客の姿もまばらになった頃、出口から真っすぐテントに向かう一人の観客の姿があった。その女性は募金だけすると、高校生が差し出したレモネードを丁重に断り、おじぎをしながら足早に去っていった。
「ありがとうございました!」。暗くなった冬空に、学生たちのはつらつとした声が響いた。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)