[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

“見える化”が選手の能力を伸ばす? 「データ」は野球をどう変えるのか(前編)

NEXT BASEで主任研究員を務める神事氏【写真:編集部】
NEXT BASEで主任研究員を務める神事氏【写真:編集部】

「ナイスボール!」じゃない、ボールに対する論理的な評価が可能に

「今までは捕手の『ナイスボール!』とコーチの『良かったぞ』という言葉でしか評価できなかった。でも、ボールそのもののデータがあるので、打者はこういう回転の時は空振りするとか、ゴロになるとか、投げたボールと結果の紐づけがより論理的になった。そうなると『こっちのボールの方がいいよね』と本人が納得して練習する。この“納得する”ということがすごく大事。感覚でしかなかったものが測れるから、納得して投げられる。調子を崩した時は、ボールの質が変わってきたりするので、指摘すると『ちょっと投げ方を変えてみます』と言われる。調子を上げる、維持することにデータはすごく使えます」

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 神事氏は「ダイエットと同じで、軽いなと思っても実際に計ると全然、減ってないこともある。そういう意味では自分の感覚と数値を一体化させると、感覚の方が研ぎ澄まされ、競技力自体の向上、維持につながります」とも付け加えた。

 テクノロジーの進化によって生まれたデータにより、選手にとって「能力向上」のメリットが大きいことはわかった。では、ファンにとってはデータを活用すると、どんな良いことがあるのだろうか──。(後編へ続く)

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

1 2 3 4

神事 努

国学院大学人間開発学部健康体育学科准教授。1979年生まれ。バイオメカニクスを専攻し、中京大学大学院で博士号を取得。2007年から国立スポーツ科学センター(JISS)のスポーツ科学研究部研究員。14年から3シーズン、東北楽天ゴールデンイーグルスでデータアナリストを務めた。現在は「ネクストベース」のエグゼクティブフェロー(主任研究員)も務め、同社で野球のデータ分析サイト「Baseball Geeks」を展開。スタットキャストの機能のわかりやすい解説なども行っている。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集