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内村航平の着地に感情爆発 橋本大輝、20歳に思えない「素直さと 謙虚さと 清々しさ」

2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートさせた。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第18回は、東京五輪の体操男子個人総合&鉄棒2冠の橋本大輝(順大)が登場する。

10月の世界体操予選、演技を終えた内村航平を笑顔で迎え入れた橋本大輝(前から2人目)【写真:アフロスポーツ】
10月の世界体操予選、演技を終えた内村航平を笑顔で迎え入れた橋本大輝(前から2人目)【写真:アフロスポーツ】

一人の記者が届ける「THE ANSWER」の新連載、第18回は体操・橋本大輝

 2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートさせた。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第18回は、東京五輪の体操男子個人総合&鉄棒2冠の橋本大輝(順大)が登場する。

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 10月の世界選手権(福岡・北九州市立総合体育館)では、内村航平(ジョイカル)を懸命に応援。試合後、20歳にして「次世代」を意識する姿は成熟度の高さを感じさせた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 その場の誰よりも喜んでいた。自分が高得点を出した時よりも、だ。

 橋本の視線の先にいたのは内村だった。世界体操の予選。鉄棒の演技に挑む大先輩を見つめ、声を張り上げて応援した。着地が決まった瞬間、ピョンピョンと跳びはねながら両拳でガッツポーズ。少年のように無邪気に感情を爆発させていた。

「航平さんとまた同じ舞台で戦える。同じ日本代表として試合に臨んで、航平さんにベストを出してほしくて応援しました。ライバルだから(応援しない)とかではなく、日本代表として同じ選手なのでシンプルにやり切ってほしかった」

 決勝でも内村が着地を決めた瞬間、力こぶをつくりながら吼えた。東京五輪で途中落下したレジェンドの完璧な一撃。橋本はその直後に出番を控えていたが、高ぶらずにはいられないようだった。

 体操を始めた6歳の時、学年でいえば13年も上の内村はすでに世界のトップ選手。「航平さんは小さい頃からの憧れ」。五輪と世界選手権を合わせて8連覇した先輩は、ずっと追いかけてきた存在だ。大会中、その「憧れ」を次世代に繋ぐ意識が見えた。

 五輪からの連勝を目指した個人総合決勝。ラストの鉄棒で張博恒(中国)を逆転できず、わずか0.017点差の銀メダルに終わった。「航平さんの凄さを感じたし、まだまだ自分が弱いと感じた」。競技エリアから目に映ったのは観客席のちびっ子ファン。幼い頃の自分が内村を見ていた姿と同じだった。だからこそ、こんな想いを口にした。

「子どもたちの前ではカッコいい大人でいたかったんですけど、負けてしまった。悔しいですけど、僕の演技に憧れを持って体操を始めてくれたり、スポーツに興味を持ってくれたりしたら、本当に本心です」

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