「日本代表のラグビーは面白い」 稲垣啓太が力説、23年フランスW杯4強への新たな挑戦
日本代表が秋のテストマッチへ向けて活動を再開した。9月29日に宮崎市内に集結したのは代表候補39人と、若手育成枠と位置付けられるナショナル・ディベロップメント・スコッド(NDS)の5人。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以来初の国内でのテストマッチとなるオーストラリア戦(10月23日、大分)、欧州に渡ってのアイルランドらとの3試合に挑む。10月2日に行われたオンライン会見では、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が、不動のリーダーとしてチームを牽引してきたFLリーチ・マイケル(東芝)に代わり、同じFLのピーター・ラブスカフニ(クボタ)を主将に指名。W杯2大会でキャプテンを務めたリーダーを敢えて替えた決断の理由、そして2年後の次回W杯を見据えてチームが秋の代表戦で目指すものは何か。指揮官、選手たちの言葉から、新生ジャパンが目指すものを読み取る。(文=吉田宏)
テストマッチ4試合に向けて再始動、満身創痍のリーチからラブスカフニへ主将交代
日本代表が秋のテストマッチへ向けて活動を再開した。9月29日に宮崎市内に集結したのは代表候補39人と、若手育成枠と位置付けられるナショナル・ディベロップメント・スコッド(NDS)の5人。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以来初の国内でのテストマッチとなるオーストラリア戦(10月23日、大分)、欧州に渡ってのアイルランドらとの3試合に挑む。10月2日に行われたオンライン会見では、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が、不動のリーダーとしてチームを牽引してきたFLリーチ・マイケル(東芝)に代わり、同じFLのピーター・ラブスカフニ(クボタ)を主将に指名。W杯2大会でキャプテンを務めたリーダーを敢えて替えた決断の理由、そして2年後の次回W杯を見据えてチームが秋の代表戦で目指すものは何か。指揮官、選手たちの言葉から、新生ジャパンが目指すものを読み取る。(文=吉田宏)
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2023年の4強入りというミッションへ、ジェイミー・ジャパンが大きく舵を切った。2014年に主将を任されてから日本代表の先頭に立ち続けたリーチに代わり、指揮官は主将にラブスカフニを任命。CTB中村亮土(サントリー)が副将に選ばれた。2日のオンライン会見で、リーダー変更の理由をこう説明した。
「リーチについては本当にハードに練習をしてくれて、リーダーとしても素晴らしい選手だが、ここでその役目を外れて、しっかりとラグビーに集中できる環境を作ることが、チームにとってもいいことだと考えました。これからも期待しているが、もう若い選手ではない。そして、ラピース(ラブスカフニ)は天性のリーダーです。チームをしっかりリードしてくれるし、安定感もあるので、彼に任せることを決めました」
歴代代表主将の中でも、リーチが果たしてきた貢献は計り知れない。ニュージーランドから15歳で来日した少年は、生まれ持った繊細さ、相手を思い遣る優しさを、留学先だった札幌のホストファミリーや日本の風土の中でさらに育み、日本人、海外出身選手を問わず誰からも信頼と尊敬を集めるリーダーに成長してきた。ラグビー史上最大の番狂わせと言われた2015年W杯の南アフリカ戦でも、当時のエディー・ジョーンズHCからの同点PG狙いの指示を拒んで、トライを奪いに行った決断力は語り草だ。日本の伝統文化や価値観を代表ミーティングで紹介することで、多国籍からモザイクチームと呼ばれた日本代表を、スローガン通り「ワンチーム」にまとめ上げた。その結晶が、日本中が見守る中で日本代表を世界のトップ8に導いた2019年W杯だった。
日本に留まらず世界のラグビー界で尊敬され、一目置かれたリーダーとなったリーチだが、それでも敢えて主将を替えたのは年を追うごとに増える故障と、チームの世代交代が理由だ。2019年大会開幕前にも股関節の故障に苦しむなど、10月7日で33歳となったリーチの体には長年最前線でチームを牽引してきたことによる“勤続疲労”が起きている。新主将のラブスカフニも32歳と前主将と同世代だが、W杯後にリーチが受けた手術は6度を数え、宮崎合宿に参加する前にも所属チームで足の痛みなどを訴えるなど、怪我や不調を抱えながらのプレーが続いている。満身創痍のリーダーを、ラグビーに専念させたいという指導陣の思いが大きな決断を促した。