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五輪と重なり考えた女性アスリートと月経 伊藤華英「言ってはいけない時代じゃない」

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。2008年北京、2012年ロンドンと五輪2大会に出場した競泳の伊藤華英さんは大会期間中、「オリンピアンのミカタ」として様々なメッセージを届ける。今回は開幕した東京五輪の17日間に期待すること。「女性アスリートと月経」の問題について取り組んでいる女性アスリートならではの想いも明かした。(構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

「女性アスリートと月経」の問題について競泳の伊藤華英さん想いを明かした【写真:Gettyy Images】
「女性アスリートと月経」の問題について競泳の伊藤華英さん想いを明かした【写真:Gettyy Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#14

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。2008年北京、2012年ロンドンと五輪2大会に出場した競泳の伊藤華英さんは大会期間中、「オリンピアンのミカタ」として様々なメッセージを届ける。今回は開幕した東京五輪の17日間に期待すること。「女性アスリートと月経」の問題について取り組んでいる女性アスリートならではの想いも明かした。(構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 ◇ ◇ ◇

 東京五輪が開幕しました。私は長い期間、大会に関わってきたので、「始まって良かった」が今の率直な気持ちです。

 世界のオリンピック。しかし、日本で開催される五輪の意義は、日本人が見つけていきたい。大変な世の中ですが、海外から選手・メディアが集まり、日本はこういう国なんだと、日本人一人一人が17日間を通してメッセージを持てるといいと思います。

 開催にあたり、サッカー男子代表の吉田麻也選手が大会前の親善試合で「誰のための五輪なのか」などとインタビューで語り、無観客を考え直してほしいと発信したメッセージが印象に残りました。きっと、批判される覚悟があってのこと。

 アスリートはこれまで、周囲からいろんなお膳立てを受け、用意された箱の中でベストを尽くし、結果を出すことが一番とされてきました。

 しかし、時代は変わり、一人一人の個性が重要視される世の中。選手自身が責任感を持って自分の考えを発信する。そうした選手は最近増えています。その大切さが認識され、新たなアスリートのロール(役割)となり、東京五輪の一つのレガシーとして残っていくのではないでしょうか。

 女性として、五輪に感じる変化もあります。2012年ロンドン大会から男女の出場選手が同等の人数になり、今大会の英国代表は女性の方が男性より多くなったという報道も目にしました。

 LGBTQを含め、性の在り方がクローズアップされる世界において、オリンピックやスポーツは社会的な課題の最先端にあると感じます。

 競技の面からすれば、やはり男性が強い。その中で女子スポーツの楽しさが分からないという人もいます。男性より強くないし、速くない。「女性のスポーツの何が面白いのか」という見方もあるのが現実です。

 しかし、五輪はその卓越性だけを求める場所ではありません。精神的にも肉体的にも自分と向き合い、乗り越えてきた選手一人一人の姿を見る場所であってほしい。私自身は男子と女子の競技の区別はなく、同じように感動します。

 ベストを尽くして戦っている姿に性別は関係ない。選手もそれぞれが持つ「自分らしさ」を大切にしてほしいです。

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