【月間表彰】「全部揃った」古橋亨梧の技あり“チップキック弾” 闘莉王が見た26歳の“成長物語”
周囲からの信頼を得て成長を遂げた古橋に闘将も太鼓判「ボールがどんどん出てくる」
2017年に中大からFC岐阜へ加入。1年目で42試合6得点し、翌18年には開幕から26試合11得点と活躍したところで神戸から獲得のオファーが届いた。同年夏に移籍を決断。J1初挑戦の半年間で5得点をマークし、19年は10得点、20年は12得点と2年連続で二桁得点を記録した。今季も開幕からゴールを量産。第13節終了時点ですでに得点ランク上位に食い込む9得点を挙げている。闘莉王氏が分析する好調の理由は「周囲との関係」だという。
「すごく信頼してもらっている。ゴールを決める人は周囲から信頼してもらえないとボールが出てこない。FWは技術の高さはもちろん、速さ、決定力、ワガママな的なところがないといけないけど、僕が一番大切に思っているのは周りから信頼されているということ。『この人にボールを出せば何とかしてくれる』という気持ちにさせるFWが、たくさん点が取れるし、たくさんチャンスが作れる。そういう意味で(古橋)はだいぶ周りに信頼されていてボールがどんどん出てくる。そのあとに、自分の技術や速さ、決定力を生かすことができるFWなので、ここに好調の理由があるんじゃないかなと思う」
興国高時代、サウサンプトンの日本代表MF南野拓実と同学年だった古橋。19年11月に開催された日本代表の国際親善試合、ベネズエラ戦(1-4)で日本代表デビューを果たし、今年3月に再び選出された。カタール・ワールドカップアジア2次予選のモンゴル戦(14-0)で国際Aマッチ初ゴールを含む2得点をマーク。日本代表にとって武器となるスピード、決定力は闘将も絶賛していた。
「簡単に言うと、左足、右足のキックの精度だけでなく強さも加わって動きの無駄が本当に少ない。パッと動いてタイミングがいい。結局、動き出した瞬間にボールが出てくる。これはFWのフィーリングでないといけない。頭の中でオートマティックになっているのがいいところ。あとたまに『こういうところから打つの!』といういい意味のワガママや周りにボールを出さないFWらしいところも持っている『俺が決めるぞ』という強い気持ちを持つFWは(大久保)嘉人もそうだし、岡崎(慎司)、小林悠もそういったところがあるんじゃないかな。そういった選手がどんどん出てくると周りとの関係も良くなってくる」