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トップリーグ開幕から3週間 バレット、レイドローら“豪華助っ人”パフォーマンス診断

今季がラストシーズンとなるトップリーグ(TL)は3月6日までに開幕3節を終了した。選手のコロナ感染者拡大で、開幕が5週間延期される苦難のスタートを切ったが、その後は感染者0で3週目を乗り越えた。来季の新リーグ移行を前にした最後のシーズンで注目を集めるのが、世界各国から大挙してTLに流入してきたワールドクラスの選手たち。開幕からいきなり世界最高レベルのスキルとパワーでスタンドを沸かせるレジェンドの、序盤戦のパフォーマンスを検証する。(文=吉田宏)

NTTドコモレッドハリケーンズのSH・TJペレナラ【写真:Getty Images】
NTTドコモレッドハリケーンズのSH・TJペレナラ【写真:Getty Images】

ベテラン吉田宏記者のコラム、序盤戦からスタンドを沸かせる外国人たち

 今季がラストシーズンとなるトップリーグ(TL)は3月6日までに開幕3節を終了した。選手のコロナ感染者拡大で、開幕が5週間延期される苦難のスタートを切ったが、その後は感染者0で3週目を乗り越えた。来季の新リーグ移行を前にした最後のシーズンで注目を集めるのが、世界各国から大挙してTLに流入してきたワールドクラスの選手たち。開幕からいきなり世界最高レベルのスキルとパワーでスタンドを沸かせるレジェンドの、序盤戦のパフォーマンスを検証する。(文=吉田宏)

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 コロナ感染などで満を持して2月20日にキックオフを迎えたTL。リーグ戦は前半戦を終了、決勝トーナメントを含めた全日程を見ると序盤戦を終えた段階だが、新加入の海外トップ選手は、待ちわびたシーズンインに開幕節から期待以上のプレーを連発してファンを魅了している。

 名だたるレジェンドの中で、3節を終えて際立つパフォーマンスを見せたのがニュージーランド(NZ)代表キャップ69を持つNTTドコモレッドハリケーンズのSH・TJペレナラだ。

 2019年のワールドカップ(W杯)日本大会でも、俊敏さを武器にしたパスワーク、そして世界一危険な9番と恐れられるランプレーでスタンドを沸かせたが、その能力をTLでも開幕戦から惜しみなく発散し、開幕3連勝のチームを牽引する。

 過去の成績による開幕前の順位付けでは、ドコモはホワイトカンファレンス8チーム中最下位扱い。6位に位置づけられるキヤノンイーグルスとの開幕戦では、日本代表SH田中史朗とのマッチアップが注目されたが、開始9分にいきなり見せ場が訪れた。自陣ゴール前でのキヤノンのスクラムからボールを奪い獲り、田中にパスをさせないファインプレーで、判断力、反応の早さを見せつけた。

 その後もハイテンポのパスワークで攻撃のテンポを上げ続け、後半18分には敵陣でのラックを抜け出したLO杉下暢のプレーに素早く反応して、パスを受けてのチーム初トライをマーク。8分後には、自らが密集サイドを突破して逆転トライをアシストすると、さらに6分後にも敵ゴール前のラックから好判断のロングパスでトライの起点になった。

 チームがマークした3トライすべてにからむ活躍をみせたが、真価を見せたのは、その後だった。23-24と逆転されて迎えた終了直前に、敵陣でのラックで、相手防御がオフサイド気味にボールに仕掛けようとしたのを瞬時に見極めると、パスをせずキヤノンに反則を犯させる頭脳的なプレーでSO川向瑛の“逆転サヨナラ”PGに繋げた。

 第2節のNEC戦でも、前半35分のトライを自らのグラバーキックで生みだすと、27分にはラインアウトからのファンブルボールを奪い40メートル独走、31分は右オープン攻撃でと、連続トライをマーク。3戦連続の先発出場となったリコー戦では、17-17で迎えた終了直前に、この日がデビューとなった南アフリカ代表のW杯Vメンバー、WTBマカゾレ・マピンピと連携したアタックを起点に、最後は自ら45メートルを独走して決勝トライを奪い獲った。

 トライにからむ攻撃面での活躍が目立つペレナラだが、常に執拗にサポートランをしている姿が印象的だ。それは防御でも同様で、群を抜く個人技に加えて献身的なプレーが、この9番の欠かせない重要な資質になっている。

 同時にチームやレフェリーとのコミュニケーション能力の高さが光る。プレーの合間に常に仲間と話し、情報を交換・共有して、レフェリーには密集戦での相手の反則をジェスチャー混じりに常にアピールし続けている。第1節の決勝PGを得た場面でも、相手選手、レフェリーを含めて、ペレナラが仕組んだ「相手が反則を犯している」という雰囲気に引き込まれているようにもみえる。パスやランといったスキル、身体能力だけではなく、試合中の駆け引きでもファーストクラスのクオリティーを持っている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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