100mバタフライで日本新3連発の池江 16歳スイマーはいかにして進化したのか
この1年間で池江が取り組んできたトレーニングメニューとは
同氏は長友佑都(インテル)、金崎夢生(鹿島アントラーズ)らサッカー日本代表選手やオリンピックアスリートのパーソナルトレーナーを務めており、体幹、体軸、バランスを強化する「KOBAトレ」の主宰者として知られている。池江が所属するルネサンスともアドバイザー契約を結んでおり、その縁から指導に当たることになった。競泳の強化合宿や遠征時以外では、週1回、木場氏のトレーニングジムで肉体改造に取り組んでいるという。
オリンピックへの過程では、村上二美也コーチ(スポーツクラブ&スパ ルネサンス亀戸副支配人)と木場トレーナーで計画した3か月刻みの肉体強化があった。
「コーチには技術面の視点がありますが、自分はトレーナー、そして、メディカルサイドからの視点で池江さんの強化をサポートしました。どの時期に身体を作るのか。例えば、トレーニングの最初の段階でアジリティを高めるようなメニューを組んだとすれば、足をひねるような怪我のリスクが高まってしまう。そのリスクを避け、スムーズに強化するためには筋肉、パワーがついていなければいけない。水泳選手は夏場に泳ぎこむので、夏場に身体を思い切り使えるようにパワー系のトレーニングを四半期の第1段階に導入しました」
第1段階は筋力アップのトレーニングだった。当時、中学3年生で育ちざかりの池江はグアム合宿などで走りこみ、ゴムチューブなど自らの体重を負荷にしたトレーニングを実施。さらに特製のファンクショナルマットを用いたジャンプのトレーニング、レッグプレスなどジムでのウェートトレーニングで一気にパワーを強化した。