【One Rugbyの絆】ラグビーは15人制だけじゃない 廣瀬俊朗が設立、「One Rugby」で世に伝えたいこと
コロナ禍が本格化する前の2月28日、日本ラグビー界に新たなうねりを起こそうと産声を上げた団体がある。それが「NPO法人One Rugby」だ。代表理事を務めるのは、元日本代表主将の廣瀬俊朗さん。ラグビーを通じて多様化する社会に対してアクションを起こし、想いを伝えるためにスタートした。
2月にNPO法人One Rugbyを設立、ラグビーと名の付く競技を一つにまとめる
コロナ禍が本格化する前の2月28日、日本ラグビー界に新たなうねりを起こそうと産声を上げた団体がある。それが「NPO法人One Rugby」だ。代表理事を務めるのは、元日本代表主将の廣瀬俊朗さん。ラグビーを通じて多様化する社会に対してアクションを起こし、想いを伝えるためにスタートした。
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一言で「ラグビー」と言っても、その種類は様々だ。昨年のワールドカップ2019大会(W杯)で、日本に空前のラグビーブームを巻き起こしたのは「ユニオン」と呼ばれる15人制のラグビー。東京オリンピック・パラリンピックで開催されるセブンズ(7人制ラグビー)や車いすラグビーも、なじみのある人は多いかもしれない。では、この3競技以外にも10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーなど、ラグビーから派生した競技があることはご存じだろうか。
これらすべてに共通するのが、「One for all, all for one」の精神で1つのボールを全員でゴールまで運ぶこと。そして、試合終了の笛が鳴れば、敵味方関係なく互いの健闘を称え合う姿勢だ。誰もが自分の持つ個性を生かして活躍できるという競技特性は、すべてのラグビーに備わるものでもある。
今後、ますますダイバーシティ=多様性が重要視される社会に向けて、広くラグビー全体が提供できるものは多い。1人でも多くの人にラグビーが持つ素晴らしさに触れてもらうためにも、まずはラグビー界で理解と連携を深め、前に進んで行きたい。そんな熱い想いを「One Rugby」は秘めている。
「THE ANSWER」では、「One Rugby」を通じてラグビー界、そして社会が一つになれることを願い、それぞれのラグビーを紹介する連載「One Rugbyの絆」をスタート。初回は「One Rugby」代表理事の廣瀬さんにプロジェクトに込めた想いを聞いた。
◇ ◇ ◇
「なんで一緒じゃないんだろう」
廣瀬さんの心の中には、そんな疑問が長らくあったという。一緒じゃない、というのは、ラグビーと名の付くすべてのスポーツが、だ。
元々、ラグビーと名の付く競技が数多くあることは知っていたし、2007年にはビーチラグビーの大会に出場。小学校でラグビー教室を開けばタグラグビーもするし、車いすラグビーの三阪洋行さんとは「ラグビーキャラバン」という活動も行っている。個々の力は小さいかもしれないが、1つにまとまったら何か大きなムーブメントを起こせるのでは――。そんな想いを、同じく元日本代表主将の菊谷崇さんも持っていた。そこから他のラグビー仲間に話をすると、実は各所に似た想いを抱く同士がいることが判明。「One Rugby」が設立された。