【#キミとONETEAM】「いま自分がやるべきことを見つけるため、少し先を見つめよう」―7人制日本代表・林大成
「大切なのは、どうなりたいかのイメージを常に持つこと」
魅力的なステップはもちろんプレーで武器にもなりますし、ステップでの活動を広げると自分の価値も高まると思いました。その中で「全国ステップチャレンジ」を始めましたが、家を持たなくなった理由やステップを始めた理由と同じで、日本代表の選手がお金も払わずに会いに来て練習をするというのは、企画としてなかなかありません。
オンラインでどれだけ動画を出しても、画面の向こうの人にとっては「日本代表の人」、「ステップの人」という認識。オフラインで練習を一緒にやった、友達がやった、隣の学校の人がやった、と広がっていけば、もっと存在を身近に感じてもらい、応援してもらえる人が増え、出る試合や競技にも注目を還元していけるということが、チャレンジを始めた大きな理由でしたね。
いまは、新型コロナウイルスの影響もあり、他の選手とZoomでトレーニングや、広いスペースを見つけてステップやパス、キックなど1人でできるスキルの向上に励んでいます。練習のほかには、依頼してもらっている執筆をしたり、英語の勉強を始めています。
今後、自分がやりたいことをイメージした時、英語は必要でした。いまは、使える時間が多くなりましたよね。やりたいことに対して、それをするのに必要以上に時間がありすぎたり、すぐにやらないといけない理由がないと、モチベーションが上がらなかったり、結局だらだらしていつの間にか時間が無くなってしまったことが僕にもよくありました。
いま、できることに制限がかかっているからこそ、目の前のことより少し先のことを見て、必要なことを1日のスケジュールに入れないと時間を無駄にしてしまう。1度、自分のやりたいことを書き出したことがあったのですが、やっぱり英語は必要だと思いました。
「全国ステップチャレンジ」で、東京五輪の後は世界を回りたいと思っているので、自分が活動を広げるためには英語が必須だと思っています。ギュッと凝縮して英語を叩き込みたいというよりは、これから継続してやっていけるように、無理せず取り組んでいます。
この時期を過ごす子どもたちは、気持ちを前向きに保つのが難しいと思います。「大切なのは、自分がどうなりたいかというイメージを常に持っておくこと」ということを伝えたいです。「勉強しといたほうがいい」とか、「英語をやっておいた方がいい」などというのは誰にでもいえるし、子どもでもわかっていることだと思います。そうではなくて、常に自分はどうしたくて、どうなりたくて、どう生きていきたいかを考えてほしいと思います。
学生時代、僕は体に関することやトレーニングに関することなど、自分にとって必要だと思う勉強には取り組めていました。でも、「その勉強がどのようにつながるのか」とか、「こういう風になりたい」というイメージとつながらない分野にはあまりエネルギーを注げませんでした。それは、当時はラグビー選手としての視点しかもっていなかったからだと思います。もっと「こうなりたい」というイメージや視点を大きく広げることによって、必要なことも新しく出てくるから、勉強したい分野も増えると思います。
僕がいま英語に取り掛かれているのは、東京五輪や、五輪の後に自分がやりたい活動を考える中で、英語が必要と考えられるようになったからです。いまは、自分がどうなりたいかを想像する、とにかく夢をもつ、自分の夢って何だろうと改めて考える時間にして、自分と向き合ってみてほしいです。自分の想像できる範囲で不可能なことはないと思います。そこに向かってやりたいと思うことに取り組むことが大事ではないかと思います。