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“内村不在”で示した日本の底力 「個人総合の白井」と「新技・ミヤチ」の可能性

体操界最高のI難度「新技ミヤチ」を成功させた宮地秀享のインパクト

「ひねりについては、側転からバク転で入って、跳ね上がる時の角度が重要です。助走をつけたスピードで力は進行方向に働くけど、しっかりと跳ね上がって角度をつけないと、ひねり切ることができない。ひねりがある分だけ上に跳びたい。かといって、全速力ではいけないし、繊細な技。伸身の2回宙返りのような思い切ってできる技と比べて、テクニックが必要になります」

 今大会、内村が棄権。白井にとっては、図らずも体操ニッポンの重責を担う形となったが、見事に結果を残した。その価値も大きい。

「白井選手は若い時から一緒に日本代表で戦い、内村選手が勝ち続けた姿を見ていますが、内村選手が引退したら世代的に引っ張らないといけない立場。白井選手自身も『いずれ、引っ張っていける選手になりたい』と言っている中で、こういう状況になり、いっそう奮起できたと思うし、いい経験になったと思います」

 内村の棄権と白井の躍進。2つのニュースが世間にぎわせたが、その裏では嬉しいニュースもあった。それが、鉄棒で世界初の新技を成功させた宮地秀享(茗渓クラブ)だ。

「伸身ブレトシュナイダー(伸身コバチ2回ひねり)という、今までに誰もやったことを成功させた。新技として認められれば『ミヤチ』の名前がつく、現在の体操界では最高のI難度。しかも、大舞台で挑戦し、初出場だった世界選手権で決めたことが素晴らしいと思います。種目別という会場で一人しか演技しないというプレッシャーがかかる状況だったので、なおさらです」

 そんな歴史的な快挙が大々的に報道されなかったのは、結果的には次の技で落下し、メダルを逃したことが影響した。「落下さえなければ金メダルを獲れたのではないか」と岡部さんも言うが、その落下に選手としてのポテンシャルも見て取れたという。

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岡部 紗季子

 1988年5月16日、東京都生まれ。朝日生命体操クラブ出身。4歳で体操を始める。02年、ナショナルチームメンバー初選抜。明大では2大会連続ユニバーシアード代表に選出。得意種目はゆか。

 引退後は明大コーチを経て、体操教室で指導を行う。TBS系「KUNOICHI」でも活躍。自身のインスタグラムでは街や海など様々な場所で逆立ちやバック転などアクロバティックな技を披露し、人気を博している。

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