「プロ意識」と「愛されキャラ」― 八村塁の番記者が驚いたルーキーらしからぬ素顔
垣間見える“愛される素質”、エースとの関係も良好
もう一つ八村について印象的だったのは、その“愛されるキャラクター”だ。
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昨年12月16日(日本時間17日)に負った鼠径部の打撲により約1か月半、離脱した八村。その間、ウィザーズのスコット・ブルックスヘッドコーチ(HC)は、会見で八村について聞かれると、「素晴らしい笑顔に素晴らしい精神の持ち主。チームメイトたちも同じように思っている」と回答したことがあった。戦力として復帰が待ち遠しいことはもちろん、チーム内で愛される存在としても復帰が待ち遠しいことを他の会見でも複数回強調していた。
ブルックスHCの話を裏付けるように、負傷よりしばらくチームに同行できなかった期間を経て八村がチーム戻った時、同僚たちからも「どこにいたんだ?」「いなくて寂しかったぞ」などと声をかけられたことを、八村自身も会見で明かしていた。
八村は、試合後の囲み取材では多くを語らない。ブラッドリー・ビールやイシュ・スミスなどのベテラン選手たちと比べても、受け答えはあっさりしており、メディアに対して素顔をのぞかせることは少ない印象を受ける。
しかし、冗談好きのブルックスHCは、八村を「“本当に英語を理解しているのか?”と質問してからかった」と、時には“イジる”こともあると明かしている。他にも、チームメイトの誕生日の際には、八村が日本語で誕生日の歌を披露する(させられる?)姿も見られた。
エースのビールも八村との関係は良好のようで、八村の誕生日の際に、ルーキーからバースデーソングを歌うように冗談交じりで指名されたり(結局歌わなかったようだが)、中断前最後の試合となった3月10日のニックス戦の後には、「昨日の練習後にルイと話した。彼のルーキーイヤーについて初めて質問された」と告白していた。このように、“愛されるキャラクター”も助けとなって、チームメイトとの距離は確実に縮まってきているようだ。