新型コロナに奪われる“時間” ラグビー日本代表が強化に受ける深刻な影響
新型コロナウイルスの影響が、スポーツ界にも深刻な打撃を与えている。4月7日には政府が緊急事態宣言を決定。NPB、Jリーグは公式戦の開幕、再開の目処が立たず、ラグビーでも2月22、23日の第6節を終えて中断されていたトップリーグ(TL)が、翌3月23日に正式にシーズンの中止を発表。日本選手権、大学春季大会、女子7人制大会など協会主催の大会の中止が相次いで決まった。海外でも南半球のスーパーラグビー、イングランド・プレミアシップ、フランス・TOP14と、代表クラスの選手がプレーする主要なリーグがキャンセルとなり、7人制のワールドラグビーセブンズシリーズ、20歳以下の世界選手権などが軒並み開催を断念した。
国内外の公式戦が軒並み中止となった影響はどれほどのものか
新型コロナウイルスの影響が、スポーツ界にも深刻な打撃を与えている。4月7日には政府が緊急事態宣言を決定。NPB、Jリーグは公式戦の開幕、再開の目処が立たず、ラグビーでも2月22、23日の第6節を終えて中断されていたトップリーグ(TL)が、翌3月23日に正式にシーズンの中止を発表。日本選手権、大学春季大会、女子7人制大会など協会主催の大会の中止が相次いで決まった。海外でも南半球のスーパーラグビー、イングランド・プレミアシップ、フランス・TOP14と、代表クラスの選手がプレーする主要なリーグがキャンセルとなり、7人制のワールドラグビーセブンズシリーズ、20歳以下の世界選手権などが軒並み開催を断念した。
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試合や活動の再開は、日本の社会と同様に先行きが予測できない中で、いま開催の可否が案じられるのが6、7月に予定されている日本代表戦だ。6月27日にウェールズ(静岡)、7月4、11日には前日本代表ヘッドコーチ(HC)エディー・ジョーンズ氏が率いるイングランド(大分、兵庫)との対戦が組まれている。
ウェールズは、日本戦の後にニュージーランド(NZ)代表との試合を敵地で予定している。NZ戦開催の可否も大きく影響することになるだろうが、日本、英国、NZとも感染に歯止めがかからない状況をみれば、実現は難しいと考えるのが妥当だろう。イングランドでも「日本遠征は不透明」という報道がある一方で、日本国内では代表戦も行われる7月に開催予定だった全国高校7人制大会の中止が4月8日に発表されている。
日本中を熱狂させた昨秋のワールドカップ(W杯)日本大会後初めての代表戦という注目度を考えれば、日本協会としては是が非でも開催したいテストマッチなのは間違いない。W杯の熱気を再燃させるには最高の舞台になるからだ。そして、強化の観点からもW杯ベスト4のウェールズ、同準優勝のイングランドという世界トップクラスの相手に胸を借りる試合は、単なる1代表戦とは異なる重要な価値を持つ。
W杯フランス大会へは、まだ3年という時間が残されている。代表強化は一般論としては大会開催前のシーズンに本格化するものだが、他国以上に日本代表の強化には時間が必要だ。NZ、イングランドといったW杯8強入りの常連国に比べて、日本選手はハイレベルな試合での経験値の低さ、フィジカル面の弱さという課題があるからだ。同時に、昨秋のW杯で日本代表がみせた、他国以上に選手1人1人の連携や役割分担が精緻に組み込まれた戦術を遂行するには、より多くの時間が必要になる。3年後のフランス大会でベスト8という前回の成績を上回ることを目標に掲げるのであればなおさらだ。
昨秋のW杯日本大会までの3年間を振り返ってみると、日本代表がどのような段階を踏んで選手を強化してきたかがわかる。契約等の問題でジェイミー・ジョセフHCの就任が遅れ、直接指揮を執ったのは、15年W杯から1年後の16年秋シーズンからだった。今年との比較は難しい部分もあるが、選手起用を振り返ると16年シーズンに代表合宿に呼ばれた選手は総勢77人に上る。15年W杯経験者は19人で、ノンキャップ選手は42人を数えた。