川口能活が語る「GKのトレンド」 昨季のJリーグ王者、横浜FMに見る“GKの進化”とは
横浜FMのGK朴一圭のスタイルが今後のトレンドに?
シュートセービングだけでなく、次のプレーに移る動作までがワンセット。味方からのバックパスを足下でコントロールした後は、正確なフィードを前線につなぐまでが練習、といった具合だ。
戦術やシステムに時代の潮流があるように、GKのプレースタイルにも「トレンドがある」と川口氏は言う。
昨年、Jリーグを15年ぶりに制した横浜F・マリノスのハイプレス&ハイラインが話題になった。マイボール時はハーフウェーラインまで最終ラインを押し上げ、自陣に生まれる広大なスペースはGKが高い位置取りでカバーリングする戦法だ。
川口氏がFC琉球所属時代から注目していた朴一圭は守備範囲の広さと思い切りの良さを生かし、次々と相手が出したパスをクリアしていった。
「マリノスが個性的なサッカーを示して優勝したことで、今後はそれがトレンドになるかもしれません。おそらくチームの戦い方として、ディフェンスラインの背後にボールが出てくる状況やタイミングによってGKに課せられる仕事がある程度決まっているのだと思います。見ている側はいつもドキドキハラハラしますが、チーム内で意識が共有されていれば問題ありません。GKにとって足下のテクニックや広い守備範囲は欠かせない時代になりつつあります」
文字通り“11人目のフィールドプレーヤー”として、他チームのGKとは一線を画する走行距離やスプリント回数のトラッキングデータでも注目を集めた。