[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「井上尚弥」の強烈なネーム威力「偉大さを知った」 冠大会発起人に聞く、殴り合いが育てるもの

ただ、殴り合うだけではない。闘いが人を育てる。12日に東京・後楽園ホールで行われたアマチュアボクシングの第1回井上尚弥杯ジュニア・チャンピオンズリーグ(JCL)国際親善大会。次世代のジュニアボクサー育成が目的で初開催され、日本、韓国、中国の選手たち130人が参加した。発起人はJCL委員会の射場哲也会長。「THE ANSWER」の取材に大会創設までの苦労、ボクシングによって何が得られるのかなどを語った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

スクリーンに井上尚弥が映る中、リングで準備運動する子どもたち【写真:浜田洋平】
スクリーンに井上尚弥が映る中、リングで準備運動する子どもたち【写真:浜田洋平】

第1回井上尚弥杯

 ただ、殴り合うだけではない。闘いが人を育てる。12日に東京・後楽園ホールで行われたアマチュアボクシングの第1回井上尚弥杯ジュニア・チャンピオンズリーグ(JCL)国際親善大会。次世代のジュニアボクサー育成が目的で初開催され、日本、韓国、中国の選手たち130人が参加した。発起人はJCL委員会の射場哲也会長。「THE ANSWER」の取材に大会創設までの苦労、ボクシングによって何が得られるのかなどを語った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 夢を追う少年少女が、日頃の努力をぶつけ合った。リング後方の大型スクリーンには、井上尚弥のポスター画像。日頃から拳を振り続け、制限体重を守った小学3年から18歳までの選手たちがリングに立てる。U-10、U-12、U-15、U-18のカテゴリーで65試合。勝って喜び、負ければ涙する。「本気」に溢れた光景が広がった。

「なんとか子どもたちを後楽園ホールのリングに立たせてあげたかった」

 開会式でマイクを握った射場会長の声が響いた。毎年、ボクサーの聖地・後楽園ホールで行われるJCL全国大会。昨年9月は台風で日程変更を余儀なくされた。年末まで会場を使えるのは平日だけ。子どもたちの参加は難しく、結果的に9月末に立川市内で開催された。

 でも、聖地を味わってほしい。大会を1つ増やすには予算が必要だったが、大手ジムの手を借りて目途が立った。「やっぱり国際試合って夢がある」。海外選手との交流はキッズの大会で初の試み。ジュニア年代が増えつつある韓国、中国の参加をプランに加え、青写真を広げていった。

「これ、本当にできるの?」

 スタッフから指摘された懸念材料。各地区の予選から全国大会に繋がる通常のJCLとは違い、1試合の単独開催では選手が集まらないのではないか。「その空気感を変えて、引っ張り上げるのが大変でした」。打開策として見出したのが「井上尚弥」の知名度だった。

 井上の所属する大橋ジムに大会名への使用を打診。大橋秀行会長を通じ、「大変光栄です」と快い本人の返答をもらった。11月末の正式発表後は全国から問い合わせが殺到。さすが世界的スーパースター、通常の何倍も多い300件ほどの応募に繋がった。射場会長は名前の威力に頭が上がらない。

「大会名を『井上尚弥杯』にさせていただけたのが本当にありがたかったです。心が広いというか、本当に井上尚弥さんの偉大さを知りましたね。『こんなに凄いんだ』と痛感しました」

 実はJCLの前身である「U-15全国大会」の2008年第1回大会で優勝したのが井上だった。プロボクサーとして研鑽に励む一方、次世代育成にも好意的。昨年12月24日の防衛戦が1か月延期されたため、今回は来場できず。射場氏は子どもたちへの動画メッセージをもらう選択肢も浮かんだが、「試合前に無理はさせたくない」と自重した。それでも、名前だけで十分なインパクトだった。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA 大相撲
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集