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鎌田大地は中学時代に苦しんだ 身長25cmアップ、元スカウトが見た才能“開花”前の葛藤

ボランチとして飛躍する姿は「本当にびっくりするぐらい」

 鳥栖での活躍を認められた鎌田の下に2017年、フランクフルトからのオファーが舞い込んできた。欧州への移籍。すぐには通用しなかった。試合に出られない時期が続く。でも鎌田の視線は、常に未来へ向けられている。翌18年、出場機会を求めてベルギー1部リーグのシント=トロイデンへのレンタル移籍を決意。そこでシーズン12ゴールをあげる活躍を見せてフランクフルトに戻ると、そこでもどんどん立ちふさがってくるハードルを何度も何度も飛び越えて、成長を続けている。

 ハードワークができるようになり、フィジカルコンタクトも強くなった。攻撃でも守備でも、チームのために貢献するのが当たり前になった。それでいて試合の流れを変えたり、決定機を作り出したりという自身のプレーもしっかりと成長させている。

 今季からフランクフルトではトップ下だけではなく、ボランチという少し守備的なポジションでも活躍。そんな鎌田の成長を、二宮は誇らしく、喜ばしく見ている。

「今のほうが間違いなく強度は高くなった印象があります。我々は育成年代の、まだ体つきがひ弱な時しか見ていないんですよね。彼のことを高校サッカーで見た時には、ずいぶん成長したなぁと思ったものです。それからまたどんどん成長して、本当にびっくりするぐらいになっている。様々な経験を経て、本人の体もでき上がってきて、今ドイツでのプレーを見ると、本当に強度の違いというか、迫力だとかパワーとかがものすごくあるというのを感じますね」(文中敬称略)

■二宮 博(にのみや・ひろし)

 1962年生まれ、愛媛県西予市出身。中京大卒業後、西予市の野村中学校の保健体育教員を経て、94年にG大阪のスカウトに転身。強化部スカウト部長、アカデミー本部長、普及部部長などを歴任する。2021年2月よりバリュエンスホールディングス株式会社に入社(現在の役職は社長室スペシャリスト)。

(中野 吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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