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ラグビー日本代表も箱根駅伝出場校も活用 広がるスポーツのGPSデータで何が分かるのか

人工衛星から取得した「時刻」「緯度」「経度」「高さ」の数字をもとにパフォーマンスデータが算出される

 スポーツにおけるGPSデバイス開発でマーケットをリードするのが、2006年にオーストラリアで創業されたカタパルト(CATAPULThttps://www.catapultsports.com/ja/)社だ。全世界で3,000以上のユーザーが利用するトップメーカーとして知られている。

 そしてほかにも、ラグビーのアイルランド代表やサッカー・プレミアリーグのリバプールFC、NBAのワシントン・ウィザーズなどが採用するSTATSports、ラグビー日本代表の躍進を支えたVX Sportなど、さまざまなメーカーがある。

 本記事では、育成年代向けに開発されたGPSデバイスKnows(https://know-s.com/)について取り上げる。

 ではGPSデバイスで、具体的にどのようなデータを得られるのか。神武教授は語る。

神武「正確な時刻と緯度、経度、高さ。人工衛星から取得するデータはこの4つが基本です。それぞれの変化量を計算すれば、一人ひとりの選手がいつ、どこからどこまで、どれぐらいの速度で移動しているかが分かります。それに加え、デバイスが心拍数などを計測。いつのどんな動きが身体にどの程度の負荷をかけているのか、というデータを総合的に得ることができます」

 GPSが取得する基本データをどう分析し、どのような形で示すか。その調理法は、メーカーごとに異なる。

 例えばカタパルト社の場合、加速度計やジャイロスコープなどを内蔵したGPSデバイスから取れる情報は、加速や減速、身体の傾き、方向転換など。上位機種で500を超える指標があるという。

 例えば、そのごく一部として、

・距離や時間、速度に関する指標
・心拍数や身体への負荷に関する指標
・加速、減速、ジャンプなど3軸方向の加減速に関する指標
・メタボリックパワー、RHIEや身体の回転運動に関する指標
・ランニング時の身体の軸の傾きに関する指標
・スクラムやゲームに戻るまでの時間に関する指標
・ゴールキーパーが起き上がるまでの時間やダイブ強度に関する指標

 などがあり、収集できるデータは多岐にわたる。

 その中でスポーツの現場で多く活用され、主な指標になっているのが運動量(ボリューム)と運動強度(インテンシティ)。運動量は走行距離やハイスピード、加減速の回数、スプリントの回数・距離、衝撃の回数、消費エネルギー量などから算出。運動強度は毎分距離や毎分回数といった時間で割った数値や、最高速度、最大心拍数、心拍がレッドゾーン内にあった時間などから算出できる。

 いつ、どれぐらいの強度の運動をしたかを選手ごとにチェックし、そのデータを蓄積。それにより、どんなタイミングにどの程度の負荷をかけた場合、どこの箇所に負傷が起こったか、などをノウハウとして蓄積することができる。

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