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巨人&西武で学んだ12年 東北学院大・星孝典監督、プロ野球生活で磨かれた指導者の原点

指導者の仕事につながったコミュニケーション能力と視野の広さ

 その思いは、本来競争相手である同ポジションの選手に対しても変わらない。西武で若手捕手の森友哉や岡田雅利が台頭してきた際には、「将来的には彼らがいたほうが球団にとってはプラス」と口に出さずとも考えていた。森が外野手や指名打者としても試合に出場し、試行錯誤を重ねていた時期も、「絶対にキャッチャーをやり続けろよ」と何度も発破をかけた。星は「(選手としては)良くないですよね」と苦笑いを浮かべるが、試合外の場面で身につけたコミュニケーション能力や視野の広さは、間違いなく指導者としての仕事に活かされている。

 現役引退後の西武、楽天でのコーチ期間は、選手とともに汗を流すことを心がけた。その姿勢は東北学院大の監督に就任してからも貫いており、特に捕手陣の練習では学生たちと同じ動作をしながらコツを伝授している。本人は「スローイングならまだ負けないですよ」と白い歯を見せる。

 一方、野球のことに限らず、学生たちの相談に乗ったり、アドバイスを送ったりすることも忘れない。グラウンドで輝いた時間が長くなくとも、腐ることなく、チームメートの成長を喜んできた星だからこそ、学生の4年間に寄り添う心構えができている。(文中敬称略)

【前編】元巨人&西武の星孝典、なぜ母校監督に? 学生主体の部活に見た危うさと湧き上がった使命感

(川浪 康太郎 / Kotaro Kawanami)

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