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留学生ワンジルの「1区はない」 大東大監督が断言、箱根駅伝シード権獲得へ描く戦略

ワンジルを7区で使えるのが一番の理想

――上位校との力関係については、どう見ていますか。

「駒澤、青学(青山学院)、国学(國學院)、順大(順天堂)あたりは、うちとの力の差は歴然としていました。うちがどうあがこうが、この4校に勝てることはないです。でも、残り6校が獲得できるシード権のタイム差はそれほどないですし、しかもコースにより特性がある箱根駅伝になるので、チャンスはあるかなと思っています」

――箱根駅伝の区間配置の構想は描いていますか。

「僕は、1区を重視しています。1区を確実に走れる選手が出てくれば、久保田(徹/3年)と大野(陽人/4年)で繋いでいきたいですね。この2人がしっかり走れれば、ピーターをゲームチェンジャーとして使いたいですが、一番の理想は彼を7区で使えたらと思っています。1区がしっかり走り、久保田、大野で繋いで、5区と6区は候補がいるので、7区で仮に10番ぐらいでも、ピーターがいけば一気に6番ぐらいまでいける。これはまぁ、僕の夢でもありますけどね(笑)」

――監督の中には、選手を勝たせたいというよりも自分が勝ちたいという思い、その気持ちが強く出てしまう方もいます。

「僕も自分が勝ちたいという気持ちがすごく強いです。全日本の惨敗を一番引きずっていたのは、僕ですからね。勝ちたいですけど、勝利至上主義にはなりたくない。それでいくと一発、いい結果が出るかもしれないですけど、長い目で見ればそれじゃ続かないと思いますし、選手を大学で潰してしまうことにもなりかねない。僕は、これからも大東文化大で指揮を執っていくわけですし、それでは本当の意味での大東文化大の復活に結びつかないと思っています」

【第1回】箱根駅伝に4年ぶり出場、大東大を変えた6か月 真名子圭監督が重視した「その場の5秒」

【第2回】箱根駅伝予選を1位通過、大東大“復活”の背景 真名子圭監督が選手に求め続けた意識改革

【第3回】「MARCHとは土台が違う」 大学駅伝スカウト事情、大東大監督が大切にすることは?

【第4回】駅伝は「いい子ちゃん」ではダメ 大東大監督、全日本14位で選手に伝えた箱根への覚悟

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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真名子 圭

大東文化大 陸上競技部 男子長距離ブロック監督 
1978年生まれ、三重県出身。選手時代は大東文化大で箱根駅伝に4年連続で出場し、4年時には10区で区間賞の走りを見せた。本田技研(現・Honda)で競技生活を終えると、三重での高校教員を経て2012年に仙台育英高に赴任。陸上競技部長距離男子の監督としてチームを強化し、19年の全国高校駅伝で優勝した。今年4月、低迷していた母校に戻ると全日本大学駅伝、箱根駅伝と本戦出場に導いている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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