“日本一速い”上野裕一郎監督が並走 箱根駅伝を狙う立教大、選手の成長促す異色指導
現役の高速ランナーから直に学べるメリット
「僕は余裕をもって引っ張ったけど、林は最後、離れたんでね。そのままいけば13分45秒までもっていけたはずなのでもったいなかった。まだ、最後に足を残す力がないので、『まだまだだね』って言いましたよ(笑)」
林はさぞ悔しかっただろうが、目標がチーム内にいるメリットは大きい。現役の高速ランナーから直に学べることは、他大学ではなかなかないことだ。
「あと、2~3年したら僕もトラックの中央に立って見るだけになるかもしれないですけど、続けられる限りは、選手と一緒に走って、自分を超えて成長していってほしいです」
箱根常連校のように選手層が厚く、走れる選手が揃っているチームでは、わざわざ監督が走ることは必要ないかもしれない。だが、箱根駅伝予選会突破を目指す立教大の立ち位置からすると、上野監督の「走る指導」は、選手の力を引き上げるために欠かせないものになっている。
(佐藤 俊 / Shun Sato)