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箱根駅伝2位は「自信になった」 順大監督のチーム管理術、大切にする選手との距離感

個を重視するチーム作り、三浦龍司も「特別扱いはない」

 現在、35~40名のトップチームは長門監督が指導し、そのほとんどの選手のメニューを考えている。例えば、関東インカレの大きな大会がある場合は、それまでの期間で作る。だが調子が上がらない、故障した場合は随時更新され、1週間に数回、変更になる場合もある。

「それを管理するマネージャーが大変です。でも、選手の状況が変われば、スケジュールの変更は当然やらないといけないので、コロコロ変わる時もあります。

 うちは三浦以外も主力は個別にやっているので、三浦も他の選手も特別扱いされている感はないと思います。当然、東京五輪のような大事な時は三浦の合宿に完全帯同という時がありましたけど、できるだけ大学の練習を見るために戻れるようにしたり、三浦の調整合宿にチーム合宿を並行したり、できるだけ三浦中心にならないように気をつけています」

 大学の陸上部には、トップ選手ばかりではなく、なかなか調子が上がらない選手、芽が出ない選手もいる。大会や駅伝に出る選手以外のサポートは、どうしているのだろうか。

「一般入学で入部してきた学生や調子を崩している学生の指導については、コーチたちが主となって見てもらっています。そういうグループの学生には、上のグループに行きたいと思わせないといけません。そのような制度も考えながらモチベーションを維持できるようにしています。学生たちはグループ間の垣根を越えて、ミーティングを実施してくれています。現在は良い雰囲気でチームが動いてくれていると思います」

 監督、コーチ、選手との信頼関係がしっかりと築かれていなければ、個を重視するチーム作りを進めていくことは容易なことではない。長門監督は、そのために重視していることがある。

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長門 俊介

順天堂大学 陸上競技部 駅伝監督 
1984年生まれ、長崎県出身。諫早高校から順天堂大学に進学し、箱根駅伝は4年連続で9区を走った。卒業後はJR東日本に進み、2011年に順天堂大学陸上競技部のコーチ、16年に駅伝監督に就任した。3000メートル障害で塩尻和也、三浦龍司と2人のオリンピアンを輩出、22年の箱根駅伝では総合2位となりチームを15年ぶりのトップ3に導いた。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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