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「“ちょうどいい距離”って何?」 ラグビー元日本代表が伝えたい話し合いが促す成長

ラグビー界が誇るレジェンド3人が指導する夢のようなラグビーアガデミーがある。それが「ブリングアップ(BU)ラグビーアカデミー」だ。ラグビー元日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、菊谷崇氏という3人の猛者が目指すのは、ラグビーというチームスポーツを通じて子供たちが「対人間スキル」をアップさせること。

BUラグビーアカデミーで指導する小野澤宏時氏【写真:荒川祐史】
BUラグビーアカデミーで指導する小野澤宏時氏【写真:荒川祐史】

元日本代表の小野澤宏時氏、元代表主将の箕内氏&菊谷氏と「BUラグビーアカデミー」を主宰

 ラグビー界が誇るレジェンド3人が指導する夢のようなラグビーアガデミーがある。それが「ブリングアップ(BU)ラグビーアカデミー」だ。ラグビー元日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、菊谷崇氏という3人の猛者が目指すのは、ラグビーというチームスポーツを通じて子供たちが「対人間スキル」をアップさせること。つまり、自分以外の人とコミュニケーションを取りながら、問題解決をする力を養うことだ。

 現在、BUラグビーアカデミーは東京ウエスト(調布)校、東京イースト(千住)校、静岡校の3か所で開催されている。小学3年生から中学生が参加。各校で学年に応じたクラス分けがされ、合計7クラスが設けられている。指導する上で、毎月全クラス共通のテーマが設定されるが、事細かに決められた練習メニューや技術指導はない。練習中に行われる子供たちのグループトークで出た意見や生まれたアイディアを基に、それぞれのクラスが独自の色を持った練習に発展させていく。グループトークでは主役はあくまで子供たち。3人のコーチは話の交通整理をしたり、わずかなヒントを与えるだけだ。

 7月のテーマは「ディフェンスのつなぎ方」。その練習の一例として小野澤氏が説明してくれたのが「変則手つなぎ鬼」だ。普通の手つなぎ鬼は、鬼にタッチされた子供は鬼と手をつなぎ、別の子供を追いかける。これを繰り返しながら、最後まで残った子供が勝ちとなる。

「鬼にタッチされた子がみんな手をつなぐのではなく、逆に鬼は1人のままで、逃げている子が手をつないで2人一組になったら鬼はタッチできない、というルールにしました。さらに、逃げている子の数を奇数にして、最初から2人組は作れない状況にしました。仲間が鬼にタッチされるのを防ぐには、誰かが手をつなぎにいかなければならない。鬼が30秒数えている間、いろいろ作戦を考えていましたよ」

 もう一つの練習は、グラウンドにケンステップを置き、それを踏みに行こうとするコーチを、子供たちはディフェンスラインを作って防ぎながら、自分たちも踏みに行くというゲームだ。子供たちがケンステップを踏むことに成功したら、踏んだ子供はサイドラインかゴールラインを触ってからディフェンスラインに戻らなければならない。そこで生まれたディフェンスラインの「穴」をどう埋めるのかなど、グループトークで話し合われた。

「ディフェンスラインを横一列で合わせた方がいいとか、そのために何が必要なんだろうとか話し合っていましたね。ラインを一列にするためにはどうしたらいいのか。スペースを均等にした方がいい、何メートルおきにしよう、という風に基準を設けるチームもありました」

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