選手が「燃え尽きない」部活の姿 「スポーツが楽しいと知らずに辞めるのは可哀想」
選手個々が真剣に考える習慣が浸透
選手たちがやりたいことにはブレーキをかけない。失敗から学ぶものは多い。躓けば選手たちは、成功へ近づこうと試行錯誤をする。佐藤は自身のように、不完全燃焼な部活に終わらせないためにも、このプロセスを辿らせることが大切だと考える。
現在チーム内は、A1とA2で2つのカテゴリーに分かれている。そのメンバー構成を考えるのも選手で、取材した時期は故障して調整中のキャプテンが自主的にA2に移動していた。チームのために何が最適な選択なのか。それを個々が真剣に考える習慣が浸透している。
A1のメンバー表を提出するキャプテンに、佐藤が声をかける。
「これで大丈夫なのか?」
「大丈夫です。ダメなら僕らの責任ですから」
再び佐藤が続ける。
「最近ではチーム内にいろんなリーダーが生まれてきました。大学に進みプロも目指せるレベルの選手が出てきたかと思えば、西が丘で応援のリーダーをやっていた子は、今度ボーカルグループでデビューすることになったんです」
佐藤は部活を教育の一環だけではなく、余暇に自己表現をして楽しむスポーツ本来の姿に近づけていきたいと思う。