[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

便箋4、5枚で「お前なんて早く引退しろ」 鈴木明子が考える誹謗中傷からの心の守り方

スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元フィギュアスケート五輪代表の鈴木明子さんが「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、競技に関する話題はもちろん、現役時代に摂食障害を患った経験から、アスリートの健康問題なども語る。

鈴木明子さんが明かす現役時代に受けた誹謗中傷とは【写真:松橋晶子】
鈴木明子さんが明かす現役時代に受けた誹謗中傷とは【写真:松橋晶子】

「THE ANSWER スペシャリスト論」フィギュアスケート・鈴木明子

 スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元フィギュアスケート五輪代表の鈴木明子さんが「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、競技に関する話題はもちろん、現役時代に摂食障害を患った経験から、アスリートの健康問題なども語る。

 今回のテーマは「アスリートのメンタルヘルス問題」後編。今年、にわかに注目を浴びることになったスポーツ界の課題。鈴木さんも現役時代は精神安定剤を服用しながら競技に取り組み、謂れのない誹謗中傷に思い悩んだ時期もあったという。後編では便箋で4~5枚にもわたる心ない手紙を受け取った経験を明かし、実体験からアスリートが心を守るために必要なことについても考えを語った。(構成=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

 前回、お話しした通り、私は2014年ソチ冬季五輪の出場をかけた現役ラストシーズンに、周囲の期待の大きさや結果が出ない焦りから、精神安定剤を服用しながら競技を継続。それは、引退するその日まで続きました。

 アスリートは周囲から、すべての面においての強さを求められます。メンタル面に問題を抱えていたことを公表した大坂なおみ選手も、まさにそういった状況に置かれていたと思います。

 是非は別として、大坂選手が会見を拒否したこと、その後、メンタルヘルスの問題を公表したことなどの一連の報道を、あぁ、本当に大変なプレッシャーを背負ってここまでやってきたのだな、という気持ちで見ていました。

 選手たちはメディアや世間が求めている、期待している言葉を敏感に感じ取ります。それはだいたいが「金メダルを獲りにいきます」「優勝目指して頑張ります」という強さをアピールする言葉です。

 でも、目標を口にすることで自分を鼓舞し、プレーの弾みになる選手もいれば、言葉にしたがゆえ、心が惑い、プレッシャーに苦しむような選手もいます。

1 2 3

鈴木 明子

THE ANSWERスペシャリスト プロフィギュアスケーター

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、00年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。10年バンクーバー五輪8位入賞。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集