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稲見萌寧を賞金女王に導いたコーチ 情に流されない信念「怒っていても態度変えない」

女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、2020年との統合シーズンで行われた今季全日程が終了した。22歳の稲見萌寧(都築電気)が、初の賞金女王を獲得。東京五輪銀メダル、メジャー大会優勝に続く目標達成で「自分の中では100点」と言った。一方で、不振や腰痛で「心が折れた時もあった」と明かしたが、それでも奥嶋誠昭コーチは稲見への接し方を変えなかったという。その理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

賞金女王を獲得した稲見萌寧【写真:Getty Images】
賞金女王を獲得した稲見萌寧【写真:Getty Images】

稲見のコーチ・奥嶋氏「本当は気持ちが弱い子」

 女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、2020年との統合シーズンで行われた今季全日程が終了した。22歳の稲見萌寧(都築電気)が、初の賞金女王を獲得。東京五輪銀メダル、メジャー大会優勝に続く目標達成で「自分の中では100点」と言った。一方で、不振や腰痛で「心が折れた時もあった」と明かしたが、それでも奥嶋誠昭コーチは稲見への接し方を変えなかったという。その理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 会見を終えた直後、稲見は笑みを浮かべて言った。「皆さん、毎日、プレッシャーをかけていただき、ありがとうございました。(プレッシャーと闘うのは)嫌いじゃないですけど」。大会中は何を聞かれても淡々と返していたが、この日は賞金女王を取るために順位を気にしながらプレーしていたことなど、次々と本音を明かし、色紙に「完」と記した。

「やっと終わったし、やりきった感じがすごいからです。賞金女王、五輪メダル、メジャー優勝、複数回の優勝と、いくつも目標を達成できました。自分の中で100点です。今夜はハシゴしてお腹いっぱい食べて、うどんで締めます(笑)」

 今季9勝、ツアー史上日本人最少の平均ストローク(70.0514)をはじめ、パーセーブ率(90.3239)、パーオン率(75.7688)で1位。精神力の強さも見せつけたシーズンだったが、稲見を指導する奥嶋誠昭コーチは、包み隠さずに言った。

「本当は気持ちが弱い子だけど、いつも周りに誰かがいて、見られているから保っていられるんだと思います。ある一定のところまで落ち込むけど、ギリギリのところで踏みとどまる。今回は賞金女王を取りたいと思いがあったからでしょう」

 最終戦、稲見は第2Rまで振るわなかった。ライバルの古江は単独首位で、自身は23位。そのままでは賞金女王を取れない状況下、奥嶋コーチにLINEで訴えていた。「相談できなくて、1人で抱え込んで苦しいです」。奥嶋コーチいわく、その要因は稲見自身にあったという。

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