17歳でサッカーを始めブラジルへ 「リフティングができない」日本人が見た“本物の技術”
「明光サッカースクール」でヘッドコーチを務める檜垣裕志がサッカーを始めたのは、17歳と極端に遅かった。
【短期連載第2回】檜垣裕志「利き足指導法」の挑戦――根底に流れる“サッカー王国”ブラジルでの経験
「明光サッカースクール」でヘッドコーチを務める檜垣裕志がサッカーを始めたのは、17歳と極端に遅かった。
「だからリフティングもできないままブラジルへ行ってしまったんです。ポルトゲーザの練習生としてトレーニングを積むことになりました。ブラジルでは一度ミスをしてボールを奪われたら、二度とパスが出てこない。本当にあからさまですよ。下手だと思ったら、どんなに良いポジションにいて、目が合っても無視される。本当の苛めというのは、こういうことなのか、と思いました(笑)」
監督には「どこでもいいから紅白戦に出してくれ」と直訴し、与えられたのが比較的フリーで前を向いてボールをもらえるサイドバックだった。だがオーバーラップをしても、トラップミスをすると思われるからパスは出てこない。檜垣は、そんな状況を打開したくて「なにか良いトレーニングはないか」とコーチに相談する。
「おまえはボールコントロールが下手だからテニスボールでリフティングをしてみろ」
3日間夢中で取り組み500回に成功した。
一方、日々ブラジルで周りの選手たちを観察しているうちに「右も左も使えるように」という日本式の指導に違和感を覚え始める。