徳島をこよなく愛する鳴門・佐藤安里紗 減量と闘い、最後の夏に出した「最高の1m70」
苦しかった減量との闘い「やれることは全部やろうと」
ハイジャンプに捧げた高校3年間。走り高跳びならではの苦しさもあった。
「ダイエットをしなきゃいけなかったけど、なかなか体重が落ちなくて。やれることは全部やろうと」
ジュースなど糖類が多いものは断ち、夕食は鶏のささみを中心に米の量を減らした。ハードな練習と、空腹との闘い。年代的に減量も難しくなる時期。「慣れるまで1年くらいは大変でした」。一時は53キロあった体重も最後の夏は48キロまで絞り、ベストな体を作り上げた。
苦しくても頑張ることができたのは、支えてくれた家族、恩師に恩返しがしたかったから。3年間の目標にしてきた地元開催のインターハイ。やっと緊張感から解放され、競技を終えた後は「徳島ラーメンが食べたいです」と茶目っ気たっぷりに笑った。
卒業後も地元・徳島の大学で競技を続け、全国トップレベルの選手を目指す。次の目標は1メートル75。
この種目の魅力を聞くと「跳べた時のふわっと浮いている感じが楽しくて」と佐藤。
最後の夏に味わった最高の感覚を更新するため、これからも徳島の空を跳ぶ。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)